台湾の“歳の市”「2014世貿年貨大展」現地レポート

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なんでもありの歳の市!B2Cとしては初開催 

このほど開かれた「2014世貿年貨大展」は、台湾の対外貿易発展協会をはじめとする業界団体が主催するもので、世界最大の IT 展示会・COMPUTEX の会場としても利用される台北世界貿易センター展覧館1館(世貿一館)の約半分を使って開かれた。

筆者は最終日の昼間に訪れたため来場者の多くは50代以上の女性や年配の夫婦だったが、会場スタッフによれば平日の夜間(昼12時から夜10時まで営業)は仕事を終えてから買い物に立ち寄る若者の姿が目立ったそうだ。特に土日は歩けないほどの混雑ぶりで、連日10万人近い人出があったという。

どの店も2-3割引は当たり前で、「買1送1(1つ買えばもう1つプレゼント)」、「団購(共同購入割引)」といった表示があちこちに。また多くの店舗が自宅への配送サービスを行っており、お酒のような重たい物や壊れやすい物はもちろん、日持ちしない食品を春節の数日前に届けてもらうよう手配する人の姿を良く見かけた。

売り切れ続々、早い者勝ちの年末特売に大興奮!

最も出店数が多いのは食品を扱う店で、中には屋台がそのまま来たかのようなブースも。販売員が次々に味見を勧める元気な店には人だかりができており、特に牛肉や豚肉のジャーキー、鶏肉の加工品、ドライフルーツやナッツ類をまとめ買いする人をよく見かけた。ちまきや小籠包のような冷凍食品はその場で調理して熱々を味見させてくれるほか、ブース内で手作りしている肉団子や麺類にも長い列ができていた。

海産物では台湾名物のからすみ、フカフレ、干物、海藻などの乾物を扱う店が多かった。特ににぎわっていたのがカニを扱う店で、販売員によると南米チリ産の冷凍タラバガニを5000杯用意していたが5日目までに売り切れてしまい、残り2日間は6杯999元(約3500円)の石蟹を8杯999元にしたり、1つ888元(約3000円)の冷凍タラを3つで3割引きにして対応しているという。保冷バッグにまるで詰め放題のように次々とカニを詰め込む人もおり、贈答用も含めてかなりの注文が入っているそうだ。  

また酒類では、台北市酒類商業同業協会が市内の酒類メーカー10社の出店を後押しし、国内外で様々な賞に選ばれた高粱酒、茶酒、果実酒が勢揃いした。中には5万元(約17万円)を超えるものも展示されており、来場者の注目を集めていた。

食品以外では、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電、衣類、バッグや靴、家具、絵画、布団、化粧品、アクセサリー、ベビー用品、アウトドアグッズ、洗剤などの日用品までありとあらゆるものが売られていた。この日は最終日ということもあってどの店も最後の値引きをアピールしていた。またいわゆる便利グッズを販売するブースでは、マイクを付けた販売員が軽妙なおしゃべりで観客を巻き込む実演販売を行っており、焦げない鍋や小型ミキサーが飛ぶように売れていくのを目の当たりにした。

日本ブースに立ち寄るのは若い人が中心

日本からは台湾貿易石見実行委員会、山口県中小企業団体中央会、日本台商協会がブースを並べており、沖縄物産のコーナーが特に賑わいをみせていた。島根県商工会議所などが運営する台湾貿易石見実行委員会は、県内の事業者から募った水産品を中心に扱っており、穴子のかば焼きやアカムツ(のどぐろ)の干物は早々に完売してしまったという。

すぐ隣の萩焼を扱う山口県のブースでは、焼き物を手にとってじっくりと説明を聞く人の姿も。台商協会は、沖縄県のお菓子や食品のほか、青森から空輸したりんご、干しナマコや干し貝柱といった海産物、静岡茶などを扱っており、日本からのブースが並ぶこの一角は他に比べて若者が多く足を止めているように感じた。

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