済南展示会レポート:2023日本(山東)輸入商品博覧会

2023年7月21-24日、中国山東省の省都である済南市にて、日本輸入商品博覧会が行われた。今年で3回目の開催となる。

2022年の同博覧会には、220社の企業、350以上のブランドの商品が展示され、来場者数は約8.6万人だった。今回はコロナの影響が完全になくなったことから、前年を上回る来場者数が見込まれている。

山東省は、中国で人口が2番目に多い省(約1億人)であり、省都の済南市は、2023年都市ランキングで14位に位置している。医療機器・飲食関連などメーカーの生産拠点が多いこともあり、筆者の中では日系企業と提携するメーカーがこの山東省に多いという印象が強かった。

これまでマーケットとして、北京・上海などの1級都市と呼ばれる市場の購買力が注目されてきたが、近年、これらの都市では、日本ブランドの製品が市場に溢れ、飽和に向かっているように感じられる。特に大手企業は、これからの成長が見込まれる次のマーケットとなる都市の開拓に積極的であり、その有力候補となる山東省の済南市や青島市といった地方都市でのプロモーション・展示会への参加は、欠かせない所である。

実際、展示会に参加している企業には、日本の大手企業が名を連ねており、関心の高さが伺える。また、日本の行政が、中国の地方都市への進出を後押ししているケースもあり、大阪市や、新潟県といった行政主導での参加も少なくない。

山東省及び各市の政府も、近年日系企業の誘致活動に積極的であり、省内各市に進出する日系企業に対し、税制面での優遇措置を取っている都市も多数存在している。日系企業としても、進出するにあたって、市場の開拓のチャンスが欲しいという意見があがっていることもあり、今回のような政府主導での展示会が開催されている。政府主導のイベントということもあり、参加企業へは、展示ブースが無料で提供されている。会社によっては、宿泊費も主催負担になるケースもある。展示会への参加者は、一般消費者がメインとはなるが、バイヤーなどの参加もあり、今後の取引につなげるチャンスを作ることも可能だ。

政府としては、企業誘致のきっかけを作ることができ、企業側としては、山東省の市場開拓のチャンスとなり、Win₋Winのイベントとなっている。

ターゲットは、一般消費者がメインとなるため、展示会内で、商品を直接販売している企業も多数ある。これからの進出となる企業にとっては、展示会内でのサンプル提示・商品へのフィードバックを得ることで、今後の進出に向けてのきっかけを得ることが可能だ。

当社は、中国に進出したいという日系企業向けに商品のプロモーション、代理店との交渉などを行っている。今回は実際にブースを構えて、中国向けに販売している美容関連商品の展示を行い、現地バイヤーとの商談、一般消費者向けのプロモーションを行った。展示にかかるスタッフの手配、サンプルの郵送・準備等は、当社で代行できるため、クライアントは、ローコストで、海外の展示会に出展可能となる。また、一般消費者向けには、定期的に購入してもらうための導線として、越境ECの販売サイトを準備している。

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この記事を書いた人

中国人民大学 経済学部を卒業後、広東敬海法律事務所にてクライアントマネージャーとして勤務。中国法のコンサルティング業務の実績を積み、香港にコンサルティング会社を設立後、日系企業向けにリーガル・コンサルティング事業を展開。中国での事業経験を活かし、日本企業向けに中国市場調査(タイヤ・オイル・冷却器等)を実施し、中国進出に向けて現地パートナー企業の開拓なども行っている。

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