1. 海外製映画・ドラマの配信を許可制に
中国の新聞出版および映画・テレビなどを管轄する国家新聞出版広電総局(国家新聞出版広播電影電視総局)は 9 月 5 日までに公式サイトで、海外の映画やドラマ作品をインターネットなどを通じて配信する場合、作品ごとに「电影片公映许可证(映画作品公開放映許可証)」または「电视剧发行许可证(テレビドラマ発行許可証)」を法に基づいて取得するよう求めた。また配信サイトの運営企業に対して、配信中の海外映画・ドラマに関する情報を 2015 年 3 月 31 日までに同局行政部門に登記するよう求め、登記のない作品は 4 月 1 日以降、配信できないとした。
新浪科技などのメディアによれば、これは同局が先ごろの会合で発表した 204 号文書「关于进一步落实网上境外影视剧管理有关规定的通知(インターネット上の海外映画・ドラマの更なる管理強化に関する規定の通知)」に基づくものとされるが、現時点で同局は根拠となる通知の名称および全文を公開していない。
2. 海外コンテンツの購入数を 30%に規制か
メディアが伝えるところによれば、204 号文書では海外製映画・ドラマの版権購入および配信数について、前年に購入、配信した国産コンテンツ総数の 30%を超えてはならないと規定。また動画配信サイトは、購入した海外製コンテンツを必ず配信しなければならず、中国国内での権利売買だけを目的に購入することは認められないとしている。
動画配信サイトは毎年 2 月 20 日までに、同局の専用サイトに購入を計画している海外作品名を登録することが必要だ。購入後は 3 日以内に再度専用サイトで手続きを行って登記番号を取得し、配信時に番号を明示しなければならない。
3. 海賊版が再び氾濫の恐れ、将来はアニメも対象か
動画配信サイト各社は規制をおおむね歓迎している様子で、30%の規制はそれほど問題でないとの見方が強い。しかし正規版権作品の配信がようやく広まってきた中で、登記や審査で時間がかかれば視聴者がまた海賊版を見るようになるとの懸念も出ている。現在、人気の韓国ドラマは本国でテレビ放送された 5 時間後には字幕付きで配信されており、海賊版よりも先に正規版権で配信することが海賊版撲滅につながっていたからだ。
また現時点で同局が発表している文書の中では、海外製の映画やドラマにのみ言及しており、アニメ作品については明確に触れていない。中国の動画配信サイトはアニメ作品の放送権利獲得にも積極的に動いており、今後の状況次第ではアニメ作品についても購入数制限に含まれたり、許可取得の対象になる可能性が高い。
告知原文:http://www.sarft.gov.cn/articles/2014/09/05/20140904102409770812.html