中国のゲームショウ「ChinaJoy2017」現地レポート

目次

1. 展示規模をさらに拡大して開催 

BtoCでは支付宝(Alipay)で購入する電子チケット用入場レーンが増設され、比較的スムーズに入場できていた。

2. 大手の巨大ブースでは今年も人気ゲームを展開

● 網易(NETEASE)・BLIZZARD

網易は今年もブースの一部を BLIZZARD として展開。この数年人気が続いている PCゲーム「梦幻西游」、「大话西游」、「倩女幽魂」、モバイルゲームでは「阴阳师」、「天下」、「率土之滨」、Pa 対戦ゲーム「战国志」、 ハンティング系アクションゲーム「猎魂觉醒」等を出品。また参考出品ながら、日本の人気ライトノベル「と ある魔術の禁書目録E中国語タイトル:魔法禁书目录F」の映像も公開していた。

● 盛大(Shanda Games)

盛大は NS タイトルを出品。日系タイトルでは「Love Live 学园偶像祭Eラブライブ!F」や「勇者斗恶龙 XEドラゴンクエストⅩF」が出品され、特にラブライブ!の試遊には長い列ができていた。

● 空中網

戦争系ゲームを得意とする空中網は、今年もイカツめなブース。陸海空をテーマにした戦争ゲーム「坦克世界」、「战舰世界」、「战机世界」の試遊エリアをそれぞれ用意した。今年リリースの新作のうち、装甲車で戦う「装甲战争」、戦艦を操る「战舰猎手」には、若い男性を中心に常に長い列ができていた。

● JJ比賽

今年はいまいちブースのテーマが伝わってこなかった JJ比賽だが、明るく広々とした試遊コーナーは健在。カジュアルゲーム故か午後になるほど試遊機で遊ぶ人が増え、落ち物パズルゲームには観客の山が。

● 巨人網絡

今年もステージで人気カジュアルゲーム「球球大作战」や「仙侠世界 2」の大会を開催。ステージ前には終日多くの人が集まって声援を送っていた。日系IPでは、聖闘士星矢のモバイルゲーム「圣斗士星矢:小宇宙幻想传」が出品されており、キャラクターのパネルと一緒に写真を撮る姿もよく見られた。

● 完美世界(PERFECT WORLD)

今年はおよそ 30タイトルを出品した完美世界。初日は 10時よりステージでオープニングセレモニーが行われ、同社の萧泓 CEOが挨拶する場面も。モバイルゲームでは「诛仙手游」、「梦间集」、「射雕英雄传手游」、「轮回诀」、「武林外传官方手游」、「火炬之光」、「最终幻想:觉醒(Finalfantasy Awakeing)等を出品したほか、eスポーツで人気の「Dota2」、「CS:GO」「创世战车」の試遊機も揃えていた。

● 騰訊互動娯楽(テンセント)

終日大勢の人が集まっていた騰訊ブース。モバイルゲームを 14タイトル出品し、話題の「王者栄耀」も試遊機が用意された。初音ミクのモバイルゲーム「初音未来:梦幻歌姬」の展示や漫画アプリの紹介コーナーも。

● 西山居

今年も武侠モノを中心に展示する西山居のブースでは、人気モバイルゲーム「剑网 3」などの世界観が楽しめるイベントを用意。一方のステージでは、子供たちによる武侠コスプレショーも行われ大歓声だった。

● 蓋娅互娱 (GAFA)

「自由之战 2」、「甲铁城的卡巴内瑞」、「巫师之昆特牌」の 3タイトルを引っ提げての出展となった GAFA。「甲铁城的卡巴内瑞」は日本のアニメ「甲鉄城のカバネリ」のモバイルゲームで、今年中のリリースを目指しているという。ステージでは中国のアイドルグループ「SS IDOL」が、同アニメのエンディングテーマ曲「ninelie」を歌って会場を盛り上げた。

● 三七互娯

今年は宇宙船を模したブースだという三七互娯は、根強い人気の オンラインゲーム「天堂 O」、「金装传奇」、「魔域」、「楚乔传」等を出品。日系 IPでは「ONE PIECE」のオンラインゲーム「航海王 OL」を公開しており、会場スタッフの話では 8月 8日からβテストを始める予定だという。

● 阿里遊戯

アリババグループの阿里遊戯は 2016年に設立されたばかりだが、今回初めて「卧虎藏龙贰」、「自由之战 2」、「剑王朝」、「刀剑兵器谱」をプレイアブル出品した。今年は比較的小規模での出展だったが、来年以降さらに勢いを増しそうだ。

● EA

毎年恒例の出品となっている「极品飞车 ONLINE」や中国版シムシティ「模拟城市 我是市长」、「FIFA Online3」がやっぱり人気を集めていた EAブース。もちろん今年も本物のスポーツカーが展示され、シムシティのビルを模したオブジェとあわせて写真スポットに。ブースにいるのはほとんどが若い男性で、試遊機の画面を覗く人の山があちこちにできていた。

● バンダイナムコ上海

去年に引き続き「NARUTO」、「ONE PIECE」、「ドラゴンボール」、「ガンダム」といった日本の有名 IPタイトルを中心に展示。スタッフが黄色のハッピ姿なのも目立っていた。ガンダムの試遊は開場してすぐに 30分待ちの列になる人気で、アニメのシーンを模した各コーナーは写真を撮る若者で常に賑やかだった。

● PlayStation

今年は PlayStation VR の試遊コーナーを O 階建てにして来場者を迎えたプレステブース。mpQ の試遊も充実しており、中国での発売が待たれる中国版「NBA2K17」、「纠缠之刃」、「钠克的大冒险:双英与古代兵团」、「罪人」、「新大众高尔夫(みんなのゴルフ)」等もプレイすることができた。また今年も引き続きブースの一角で PS4や PlayStation VRの販売が行われ、多くの人が購入の列に並んでいた。

● XBOX

今年もPlayStationと向かい合わせで出展した XBOX。中国初お披露目となる XBOX ONE X とプレイアブル展示としてはこちらも中国初の「极限竞速 7」の注目度は高く、終日試遊の列ができていた。ほかにも「铁拳7」、「纠缠之刃」、「光环战争 2」、「非常英雄」等の試遊があり、男性を中心に多くの人が楽しんでいた。

3. 通信キャリア・決済サービスのブース

中国移動系の咪咕、中国聯通系の沃遊戯、中国電信系の WEFUNともに今年もステージイベントやコスプレショーを開催。試遊機こそ少ないが、どのブースもにぎわっていた印象だ。

4. 動画配信・ライブ配信サービスのブース

熊猫直播、触手、戦旗直播、全民直播、西瓜視頻、愛奇芸、小米直播、bilibili 等、たくさんの動画配信サービスやライブ配信サービスが出展していたが、どこのブースもほとんど展示がなかったのは残念。一部のブースではステージイベント等を会場からライブ配信していたが、去年のような勢いと積極さはない様子。

5. 周辺機器ブランドのブース

● AORUS

GIGABYTE傘下のゲーム用ハードウェアブランド。今年は様々なタイプの 機器VRで来場者の心を掴んだ。

● SHARP

SHARPのロゴの下には「POWERD BY FOXCONN」の文字が。4Kテレビの美しさを紹介するコーナーでは Nintedo Switchの試遊が用意されていたほか、SHARP製ブラウン管テレビと歴代の家庭用ゲーム機を並べたコーナーでは、懐かしの初代ファミコンやセガサターンなどで遊ぶことができた。

● NVIDIA

ゲームに特化した「Max-Q」を採用したノートPC多数用意しており、スタッフが性能を説明する様子も。

● 高巨創新 HIGH GREAT

今年唯一のドローン展示ブース。スマートフォンを使った操作体験ができ、試遊待ちの列は男性ばかり。

6. 今年も VR 体験が大人気

PlayStation VRはもちろん、中国メーカーからもたくさんの VRの試遊機が出ていた。座ったまま VRゴーグルをつけて握ったコントローラーを動かすだけのものから、ジェットコースターに乗っているかのような体験ができるもの、体を吊られることで走りながら戦場バトルが楽しめるもの、馬に乗った兵士になりきって戦うもの等 VRコンテンツもいっそう充実し、どのブースでも画質の良さと臨場感をアピールしていた。

7. 物販の勢いはやや減少、コスプレモデルは引き続き増加

物販ブースのみが集められたエリアが設置されたものの、前回に比べるといささか勢いは落ちた様子。等身大クッションや福袋、いわゆるファンシーグッズを販売する雑多な店が減った代わりに、プラモデル、フィギュア、アニメの公式グッズを扱う専門店が増え、年々キチンとしてきているようだ。ガチャガチャは日本円で 1つ 450円ほど、福袋は 1つ 1,500~3,000円ほど、プラモデルは 1万円を越えるものも多い。どの店も賑わっていたが、大きな袋をいくつも抱えるような来場者は去年ほど多くない印象を受けた。

数年前にコンパニオンの過剰な露出を禁止する通達が出されたことから、ずらりとステージに並ぶ美女たちは今年も露出は控えめ。グッズのばらまきも年ごとに減り、試遊した数に応じた景品交換が一般的になってきている。一方でコスプレ姿のモデルを使うブースは回を重ねるごとに増えており、特にキャラクターに扮した外国人モデルとの写真撮影はどこも大人気だ。

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この記事を書いた人

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