2020年下半期 中国のインターネット利用状況(第47回 中国インターネット発展状況統計)

<本調査について>

中国インターネット発展状況統計(中国互聯網絡発展状況統計報告)は、中国政府が管轄する中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が発行する調査レポートで、1997年より毎年1月と7月の年2回発表されている。

今回の調査期間は2020年12月31日までで、全国の省・自治区・直轄市に定住する6歳以上の住民を対象に、コンピュータを用いた電話調査(CATI)を実施した。 なおこの調査の対象地域は中国大陸に限られており、特に記載がない限り香港、マカオ、台湾はデータに含まれていない。

1.インターネット利用者数

2020年12月末時点の中国のインターネット利用者数は9.89億人で、2020年3月時点に比べ8,540万人増加した。インターネット普及率は70.4%で、2020年3月末時点に比べて5.9ポイント上昇した。


 モバイルインターネット利用者数は9.86億人で、2020年3月末から8,885万人増加した。インターネット利用者全体に占める割合は99.7%となった。

インターネット利用者を居住地別にみると農村住民の割合は31.3%で、3.09億人となった。一方の都市部住民の割合は68.7%で、2020年3月末より3,069万人増えて6.80億人となった。

なお都市部と農村部のインターネット普及率は、それぞれ79.8%と55.9%で、2020年3月末より3.3ポイントと9.7ポイント上昇している。

2.インターネット利用者の特徴

2020年12月末時点のインターネット利用者の男女比率は51.0:49.0で、全人口の男女比率とほぼ一致している。

インターネット利用者の年齢構成では、20-29歳、30-39歳、40-49歳がそれぞれ17.8%、20.5%、18.8%を占めており、他の年齢層に比べ高くなっている。50歳以上の層は合わせると2020年3月末時点の16.9%から26.3%へと大幅に伸びており、インターネットの利用が中高年層にさらに浸透していることがわかる。

教育水準別では、中学と高校・高専・技術専門学校の割合がそれぞれ40.3%と20.6%だった。小学以下の割合は2020年3月末時点の17.2%から19.3%へと増加している。

職業別では、学生が最も多い21.0%を占めた。次いで個体戸・自由業者が16.9%、農林牧畜水産業が8.0%と続いた。

月収別では2,001-3,000元と3,001-5,000元の層が、それぞれ13.0%と19.6%であわせて32.6%を占めた。5,000元以上は合わせて29.3%、1,000元以下は合わせて15.3%だった。

3.インターネット接続の状況

携帯電話・スマートフォンからのインターネット利用率は、2020年3月末から0.4ポイント上昇して99.7%に達した。デスクトップパソコン、ノートパソコン、テレビ、タブレットからの利用はそれぞれ32.8%、28.2%、24.0%、22.9%で、それぞれ2020年3月末時点よりも利用率が下がっている。

インターネットの1週間の平均利用時間は26.2時間で、2020年3月末より4.6時間減少した。

 2020年末時点の中国から海外への出口帯域幅は合計11,511,397Mbpsで、2019年末と比べて30.4%増加した。

4.インターネット関連産業の発展状況

中国のEC取引額は、2013年の10.4兆元から2019年の34.81兆元へと増加し、この間の複合年間成長率は22.3%だった。2020年も安定した成長を続け、通年のEC小売総額は11兆7,601億元で、前年より10.9%増加した。

また、2020年のオンライン広告市場規模は4,966億元で、前年に比べ14.4%増加した。新型コロナウイルス感染拡大等の影響により、成長速度はさらに鈍化している。

2020年12月末時点に中国国内にあるインターネット関連分野の上場企業は147社で、2019年末に比べて8.9%増加した。上場市場別では、上海・深セン市場が48社、香港市場が38社、米国市場が61社となっている。登記地を見ると、北京が最も多い全体の32.9%を占め、次いで上海が18.2%、深センが11.9%、杭州が11.2%と続いた。

これら上場企業の国内外における総市場価値は16.8兆元で、2019年末に比べて51.2%増加している。分野別では、オンラインゲーム企業が最も多く全体の24.5%を占める。次いで文化娯楽類企業が16.1%、EC・オンライン金融、ツールソフト類の企業がそれぞれ12.6%、10.5%、7.7%を占めている。

一方、ユニコーン企業と呼ばれる企業価値10億米ドル以上の未上場企業は、2020年末時点で国内に207社あり、2019年末より20社増加した。所在地別では、北京が88社で全体の42.5%、上海が42社で20.3%、広東が32社で15.5%、浙江が22社で10.6%、江蘇が11社で5.3%を占め、上位5地域だけで全体の94.2%を占める。

業種別では、ECが最も多い15%を占め、次いで企業サービス、自動車交通となっており、上位5業種が全体の過半数を占めている。

5.各種インターネットサービスの利用状況

2020年の個人向けインターネットサービスの利用率は、安定した成長を続けている。とりわけショートビデオ、決済、ECの利用者数は引き続き増加しており、成長率はそれぞれ12.9%、11.2%、10.2%となった。娯楽領域では、ライブ配信の成長率が10.2%と好調に推移しており、動画と音楽もそれぞれ9.0%、3.6%増加した。

6.クララオンラインによる本統計報告に対する見解と今後の見通し

2020年通年で中国は主要国で唯一プラス成長を成し遂げた国であり、その背景には、コロナの早期封じ込めはもちろんだが、インターネットの普及及びインターネット関連サービスが充実していたが故と考えられる。

1、インターネットの利用者数の増加

昨年12月現在、中国のインターネット利用者数は9億8900万人、スマートフォンによるネット利用者数は9億8600万人で、インターネット普及率は70・4%に達した。

コロナ禍において、中国現地では、Wechatのアカウント上で「健康コード」を提示し、公共機関・施設を利用するなど対策が行われた。それにより、スマートフォンの購入者・インターネット利用者が増加したと考えられる。

特に、これまでスマートフォンの利用率が高くなかった50歳以上の世代においても、16.9%から26.3%へと大幅に伸びている。今後、これらスマートフォン新規参入者によるEC参与等、インターネット市場の盛り上がりも期待される。

2、インターネットの企業の成長幅は大きい

インターネット上場企業147社の国内外における総市場価値は16.8兆元で、2019年末に比べて51.2%増加している。

電子決済などが広く普及する中国で意外な状況と言えるのが、オンラインツールソフトが未だに全体の7.7%と普及が広がっていない点だ。実は中国においても、電子契約など対法人向けサービスにおいては、未だIT化が進んでない分野も少なくない。電子契約に限って言えば、導入企業数・使用率等の統計はないものの、依然として商習慣上、導入が進んでいないため、今後の成長が見込まれる分野とも言える。

3、サービス(ライブ配信など)

2020年の個人向けインターネットサービスの利用率は、安定した成長を続けている。とりわけショートビデオ、決済、ECの利用者数は引き続き増加しており、成長率はそれぞれ12.9%、11.2%、10.2%となっている。

教育サービスの利用者数は、3月比-18.9%となっており、オフラインの学校が再開したことによる影響で減少に転じている。一方で、中国では、学校で大量に出される宿題の答え合わせを行うアプリ等、多数の教育アプリが存在している。子供向けの教育アプリについては通常よりも情報セキュリティが厳しい分、気軽に参入できる分野ではないものの、中国では共働き世帯も多く子供にかけるお金を惜しまない家庭も多いため、今後も堅調な成長を続ける分野であると考えられる。

「第47次中国互聯網絡発展状況統計報告」(中国語、全文)
http://www.cnnic.cn/hlwfzyj/hlwxzbg/hlwtjbg/202102/P020210203334633480104.pdf

●本レポートに含まれる情報は、中国互聯網絡信息中心発行の「第47次中国互聯網絡発展状況統計報告」(2021年2月)をクララオンラインが一部抜粋し、理解を助ける参考訳としてご案内するものです。詳細は必ず原文でご確認ください。 
中国互聯網絡信息中心 http://cnnic.com.cn

クララオンライン コンサルティング事業部

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