1. 春節期間中の消費総額
報告では、経済成長に伴って国民の収入は増加傾向にあるが、なかでも 2 級・3 級都市と呼ばれる直轄市以外の省都やそれに次ぐ規模の都市で、住民の消費水準が大幅に上昇していると分析する。さらに、より良い生活を求めて人々の消費に対する考えや消費バランスにも顕著な変化が表れているとした。
例えば、過去 3 年間の春節期間中の国内の主な商圏における消費規模は年平均 17.5%の勢いで伸びている。支払い 1 回あたりと銀聯カード 1 枚あたりの平均消費額も増加の一途をたどっており、伸び幅はそれぞれ 14%と 14.9%となっている。特に消費の伸びが顕著なのは、フフホト、鄭州、太原といった中西部地区や深センや佛山といった東部の都市で、2018 年の春節も引き続き 10%以上の成長が続くことが予想される。
2. 旅行消費
直近 3 年間の春節期間中、国内旅行では三亜のビーチ、上海の上海ディズニーランド、広州の長隆歓楽世界(遊園地)といった有名観光地が選ばれ、消費が集中した。
一方の海外旅行では、旅行先として選ばれた国と地域は 2015 年には 79 だったものが、2017 年には 97 に拡大した。特に「一帯一路」政策の沿線上にある国が中国人旅行客の注目を集めており、なかでもアフリカは、ナイジェリア、ザンビア、ルワンダ、セネガル等、10 カ国以上が新たな旅行先となっている。
3. グルメ消費
過去 3 年間の春節期間中、チェーン展開するファストフード店での消費額に大きな変化はなかったが、レストランでの飲食消費額は年々増え、2017 年にはついに 1 回あたりの平均支払い額が 600 元に迫った。2018 年は消費額がさらに 10%程増えそうだ。
一方、海外旅行先での飲食消費総額は、2015 年の 7,021 万元から 19%増えて、2017年には 8,327 万元となった。人数も 2015 年の 2 万 9,220 人から 2017 年は 3 万 3,770人へと 13%増加している。
4. ホテル消費
中国では生活や物質面での条件が改善するに従い、「ホテルをバカンスの目的地」と考える人が増え、高級ホテルのニーズが高まっている。4 つ星や 5 つ星の高級ホテルにおける消費回数および銀聯カードによる支払い回数は、2015 年と 2017 年を比べるといずれも二桁の伸びを見せている。
海外におけるホテル消費総額も好調で、個人旅行に限ると 2017 年は 2015 年の約 2倍にあたる 8,000 万元超となった。全体では 2015 年に比べて 2017 年は、金額では 88%増、消費回数では 82%増、銀聯カードによる支払い回数では 77%増となった。
5. ショッピング消費
春節期間における国内でのショッピング消費の伸び幅は、直近 3 年の平均が 30%を越えている。消費全体の伸び幅は 17.5%で、春節は実店舗での消費が増える傾向が強い。
一方で海外でのショッピング消費はこの 3 年間では年を追って減る傾向にある。しかし、東北、西北、華中地域の居住者は依然として海外でショッピングを楽しむ傾向が強く、特に東北地域では海外での消費額の 90.9%がショッピングに充てられている。
6. 娯楽消費
春節期間中に居住地とは別の地域で娯楽のために消費する金額は、直近 3 年間で 17%も増えている。これは全体の伸び幅の 11.4%をおよそ 6 ポイントも上回る。
一方、近年は単なる観光目的の海外旅行ではなく、現地の文化や娯楽を楽しむ旅行者が増えている。2015 年に比べて 2017 年は、文化や娯楽への消費額が 173%も増えており、2018 年もこの傾向は続くことが予想される。