過去最高を更新する「双 11」の勢い

1. 今年も売上記録を更新!

今では毎年恒例となったインターネットショッピングの巨大セール「双 11」。2009 年に EC 大手の阿里巴巴(アリババ)グループが行ったのが始まりだ。現在は 11 月 11 日に行われるセールを一般的に「双 11」と呼び、他の EC モールやリアル店舗までも巻き込んだ全国的な巨大イベントになっている。日本でも数年前から、Yahoo!ショッピングが「いい買い物の日」、楽天が「おひとりさま DAY」として、同様のセールを行っているのは知っての通りだ。

毎年その規模が話題になる双 11 だが、EC 各社の双 11 の売上の合計は 3143.2 億元(約 5 兆 1334 億円)に達し、前年に比べて 23.8%増加した。EC サイト別では天猫が 2,135億元(約 3 兆 4870 億円)を売り上げ、全体の 67.9%を占める結果となった。

今年の天猫(Tmall)の売上は 2,135 億元(約 3 兆 4870 億円)に達し、前年の 1,682 億元(約 2 兆 7471 億円)を 27%上回る記録となった。参加ブランド数は世界各国から 18 万に上っている。ちなみに 2009 年の第 1 回にはわずか 27 のブランドが参加しただけだった。

今年も記録更新が相次ぎ、11 日の 0 時からスタートした天猫のセールは、開始から4 秒で 1 億元、21 秒で 10 億元、2 分 5 秒で 100 億元を突破し、4 分 20 秒で 2012 年の売上記録である 191 億元を上回った。その後も 26 分 3 秒で 500 億元を突破し、2017年の双 11 では 9 時間かかった 1,000 億元の壁を 1 時 47 分 26 秒に越え、8 時 8 分 52秒には 2016 年の売上記録と同じ 1207 億元を突破した。ピーク時には 1 秒間に 49.1万件の注文があったという。

また天猫の物流を担う菜鳥(CAINIAO)の荷物取扱数は、11 日の 1 日だけで 10.42 億個に達した。2009 年は 26 万個だったが、2017 年は 8.12 億個で、今年は 10 億個超と実に 4,000 倍の増加となった。

もちろん即日配達サービスも通常通りに行われ、当日午前 10 時までに上海、深セン、蘇州、北京、成都を含む全国 311 の都市で最初の配達が完了している。最速記録では、セール開始早々の 0 時 8 分に青島に住む消費者の元にミネラルウォーターが届けられている。また大型商品では、菜鳥のパートナー会社である日日順物流が 0 時 12 分に上海に住む消費者の元にハイアール製のワインセラーを届けている。

2. 京東や蘇寧の双 11 も好調

京東(JD)では「京東全球好物節」と銘打った双 11 のセールを開催し、11 日の売上総額は 1,598 億元(約 2 兆 6099 億円)に上った。特に若者の購入が好調で、25 歳以下の購入者数は 2008 年に比べ 4.1 万倍になったという。

特に人気だったのは 65 インチの大画面テレビで、セール開始から 10 秒で 1 万台以上売れたほか、ハイアールの洗濯乾燥機10kg タイプが 5 分で 1 万台、美的の冷蔵庫 600L が 5 分で 1 万台売れたという。

家電チェーン店の蘇寧電器(Suning)は、EC サイトの蘇寧易購で「蘇寧購物節」を開催するのにあわせて、リアル店舗でのセールに加え、グループのホテルや映画館でも双 11のイベントを開催した。蘇寧易購の注文数は前年比 132%増で、セール開始から 4 秒で売上が 1 億元、50 秒で 10 億元を突破した。特にエアコンはセール開始 35 秒で売上が1 億元を越えたほか、暖房器具が前年比 321%増に達した。リアル店舗での売上額も 12時時点で前年比 52%増、最終的には同 84%増と好調に推移した。生鮮食品 EC の蘇寧超市も最初の 1 時間の売上が前年比 500%増に達し、特に生鮮食品は同 800%増となっている。

またデパート、スーパー、レストラン、レジャー・娯楽施設などのリアル店舗でも双 11 のセールが行われた。なかでも内装用建材等を扱う専門店の居然之家(Easyhome)では、13 時 9 分の時点で全国266 店舗の売上額の合計が 100 億元(約1633 億円)を越えた。成都の店舗ではまだ夜も明けないうちから開店を待つ列ができたという。

億邦動力のまとめによると、カテゴリー別の売上 TOP10 は次の通りとなっている。

今年の双 11 で売上が 10 億元(約 163 億円)を越えたブランドは、Apple、ナイキ、華為(Huawei)、アディダス、ハイアール、ユニクロ、美的、小米で、1 億元(約 16 億円)を越えたブランドは 230 以上に上る。

3. 越境 EC の 7 割が天猫国際

越境 EC も好調に推移した。天猫国際では 75 の国と地域の 1.9 万ものブランドによる 3,900 種類の商品がセールに参加し、9 時 1 分までに 1,000 万件の注文が税関手続きを済ませたが、これは 2017 年に比べ 10 時間半も早い記録だという。最終的には当日の越境 EC 注文数の 7 割以上が天猫国際を通じたもので、6 時 29 分に 2017 年の売上記録を上回った。

億邦動力のまとめによると、輸入商品の人気 TOP10 は表のとおりで、粉ミルクや紙おむつといったベビー用品とスキンケア用品で占められた。ブランド別の TOP10 は、紙おむつやスキンケア用品に強い日本ブランドがランクインしたほか、Swisse や Bioisland といった欧米のサプリメント、Aptamil や a2 といった海外の粉ミルクに人気が集まり、これらのブランドは当日だけで 1 億元以上の売上となっている。

ちなみに女性が越境 EC で購入した商品の TOP10 は、サプリメント等の栄養補助食品、顔パック、美容液、紙おむつ、粉ミルク、スキンケアセット、美容機器、乳幼児用栄養食品、乳液、メイク落としとなっており、男性は大人用粉ミルク、洗顔フォーム、紙おむつ、化粧水、ベビー用スキンクリーム、肝臓によいサプリメント、浄水器、牛乳が人気だったようだ。

輸入国 TOP10 は、日本、アメリカ、韓国、オーストラリア、ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、ニュージーランド、イタリアで、購入者が多い地域は広東、浙江、上海、江蘇、北京の順だった。

逆に海外在住者が中国の EC サイトで購入した“輸出商品”の人気 TOP5 は、ワンピース、ズボン、ウールのコート、スウェット、セーターで、購入者が住む輸出先国は、香港、ロシア、アメリカ、台湾、オーストラリア、日本、シンガポール、イギリス、スペイン、フランスだった。

このほか、蘇寧グループの越境 EC サイト、蘇寧国際では 11 日 17 時時点で売上が前年比 428%増とこちらも大幅な伸びとなった。網易の越境 EC サイト、網易考拉も具体的な数字を明かしていないものの、前年売上の 2.4 倍に達したと発表しており、特に化粧品は前年の 2.39 倍、ヘルスケア製品は 2.76 倍と好調だったという。

4. 宅配荷物も 25%増加

国家郵政局によると、11~16 日の荷物取扱数は 18.82 億個で、前年に比べ 25.8%の増加となった。ピークとなった 11 日は通常の 3.2 倍にあたる 4.16 億個の荷物を処理したといい、これは前年の 25.68%増となる。

配達のピークは 13~17 日で、13 日は 2.5億個、15 日は 2.85 億個の荷物が全国の購入者の元に届けられた。21 日 20 時時点の配達済み荷物数は 18.3 億個で、全体の 97%以上の配達が済んでいる。荷物 1 億個の配達にかかる時間は、2013 年に 9 日だったが今では2.6 日にまで短縮された。

各宅配会社は双 11 のために 1 万人あまりの臨時スタッフを確保したといい、当局は高鉄(中国版新幹線)での配送網を 60 都市以上に拡大した上で 1 編成あたりの積載荷物量を通常の 500 キロから 5 トンに増やし、累計 2 万トンの荷物を輸送したという。

北京市郵政管理局も同期間中の市内の荷物取扱数を 1 億個、ピーク時には通常の 2.8倍にあたる 3,000 万個を処理する見通しで、これは 2017 年の 43%増にあたると発表していた。その一方で、配送拠点の周辺の歩道が荷物で通れなくなったり、配送用車両が道路をふさいだりして例年苦情が寄せられることから、北京では「城管」と呼ばれる都市管理のための取り締まり担当者が 8 日からパトロールを実施した。指導に対して改善がみられない業者には「北京市市容環境衛生条例」に基づいて 500~5,000 元の罰金を科したという。

同様に山東省郵政管理局によると、山東省の11日当日の荷物取扱数は2,455万個で、前年に比べて 35%増加した。このうち集荷した荷物が 1,645 万件、配達した荷物が 810万件で、集荷数が最も多かったのは済南市の 338 万件、配達数が最も多かったのは青島市の 129 万件、済南市の 100 万件超だった。

中国の大学では学生の多くがキャンパス内の寮に住んでいることから、インターネット上には学内の配送拠点が届いた荷物であふれている様子が多数報告されている。荷物の受け取りに数時間も並ぶ場合もあるといい、今年も荷物の代理受け取りサービス「代領」で稼ぐ学生がいる。鄭州市の大学でこのサービスを行っている学生によると、代行費用は荷物 1 個 2 元で、1 個増えるごとに追加料金が 1 元かかる。主に昼休みや夕方以降の授業の無い隙間時間を使っているが、1 日に 60 件以上も依頼がある日もあり、毎日 100 元程度の稼ぎになっているという。

また例年の双 11 では、配送に対するクレームが取りざたされるが、北京商報が 2,400人に調査を行った結果によれば、今年の配送に対する満足度は 83.7%と比較的高かった。このうち満足と答えた人は 57.4%、とても満足と答えた人は 26.3%に上った。総合的な満足度は、順豊が 4.26 ポイントでトップとなり、続いて郵政 WMS と中通が 4.12ポイントで 2 位に並んだ。

配送にかかった時間については、普段と変わらないが 48.5%で、通常より 1~2 日遅いが 32.1%だった。配達員の態度では、全体の満足率が 85.6%に上り、会社別では順豊が 93%と特に高い満足度だった。このところ中国でも意識が高まりつつある個人情報保護については、とても満足と満足が 80%以上を占めており、順豊が 4.21 ポイントでトップだった。特に数社が試験的に採用しているプライバシー保護をうたった送り状への評価が高かった。

クララオンラインコンサルティング事業部

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