中国で EC 展開するならココ!人気サイト比較

目次

1. マーケットプレイス型総合 BtoC サイト

● 天猫(Tmall) http://www.tmall.com/

中国最大の CtoC サイト「淘宝網(Taobao)」を運営する阿里巴巴グループの BtoC モールで、2008 年 4 月に淘宝商城(タオバオモール)として誕生。2012年2月に天猫(Tmall)に名称を変更した。淘宝網と会員アカウントが共通で、現在の会員数は 5 億人以上。BtoC市場の売上の半分以上を支えるともいわれる。7 日間の返品保証、100%品質保証、利用者による信用評価システムなどで安心・安全・信用をアピールしており、店舗側にも出品商品に関する各種許可証や販売ライセンスの提示を求めるなど管理はしっかりしている。日系ではユニクロ、SONY、ニコン、東芝、コーセーなどが公式ショップを開設しており、名実ともに中国最大の BtoCサイトとして成長を続けている。

出店の条件として、中国国内での法人登記が必要となる。出店にあたっての保証金は、販売商品や出店形態により 1-30 万元。年間利用料は無料だが、販売手数料が注文金額の 0.5-5%、技術サービス費が年間 1-6 万元かかるほか、天猫ポイント費用として売上の 0.5%が発生する。別途有料でフルフィルメントサービスの「淘宝物流」、各種プロモーションサービスが利用できる。運営サポートはオンラインで中国語のみ。

● 京東 http://www.jd.com/

2004 年 1 月に開設、2013 年 3 月に従来の京東商城(360buy)から現在の京東(JD)に名称変更。登録会員数は 2013年 4 月に 1 億人を突破、市場シェアは約 20%。自社販売とモールを組み合わせて取扱い品目を増やす戦略が成功し、現在では 5 万社以上が出店している。クレームの多かった配送サービスの改善にいち早く着手し、2009 年には物流会社を設立している。2012 年に日本と韓国の商品を扱う専門ページを開設しており、日系では富士通や IRIS などが公式ショップを開設している。

出店の条件は、中国国内での法人登記および資本金 50 万元以上。出店にあたっての保証金は、販売商品などにより 1-10 万元。年間利用料は 6000 元で、販売手数料が注文金額の 10-20%となっている。また別途有料でフルフィルメントサービスの「FBP」、各種プロモーションサービスが利用できるほか、運営代行業者やコールセンターサービス事業者を紹介してもらうこともできる。

なお京東は 2014 年 4 月に QQ 網購を買収。現在はグループ傘下の「京東網購」として運営しているが、将来的には京東と合併する予定だという。

● 亜馬遜中国(アマゾン中国) http://sea.taobao.com

2000 年 5 月に「卓越網」としてスタート。2004 年にアマゾンが買収し、2011 年 10 月に現在の名称に変更した。売上、会員数ともに非公開だが、年間 100 億元以上を売り上げているようだ。日本やアメリカの Amazon と同様に書籍を中心に、デジタル家電から生活用品まで様々なアイテムを260 万種類以上扱っており、マーケットプレイスに出店することができる。

出店の条件は、中国国内で法人登記をしており、全国の顧客に配送可能であること。資本金の基準はない。出店にあたっての初期費用、出店費用、保証金などは不要で、商品によって注文金額の 4-15%の販売手数料がかかる。別途有料でフルフィルメントサービスや各種プロモーションサービスが利用できる。出店者向けのイベントが毎月開かれており、売上を上げるテクニックなどを学べるオンラインセミナーも好評だ。

● 当当 http://www.dangdang.com/

1999 年にオンラインブックストアとしてスタートし、現在はアパレルや3C 製品等を幅広く取り扱っている。2010 年 12 月に NY 株式市場に上場。当日配達を 20 都市以上、翌日配達を150 都市以上で行っている。会員数は2000 万人を超える。

出店の条件は、中国国内で法人登記をしており、設立から 1 年以上が経過していること。資本金は 50 万元以上が必要。出店にあたっての初期費用は、商品によって保証金が 1-10 万元、出店費用が年間 6000-12000 元かかるほか、販売手数料が注文金額の 8%かかる。

●1 号店 http://www.yhd.com/

2008 年にネットスーパーとして出発し、現在はモール形式の「1 号店商城」を併設した総合 EC サイトとして成長している。米ウォルマートの出資を受けており、2013 年夏からは上海で生鮮食品や冷凍食品の配達を始めている。会員数は 5000 万人以上で、モールには 1000 社以上が出店している。

出店の条件は、中国国内で法人登記をしており、資本金 10 万元以上(宝飾品や貴金属を販売する場合は 100 万元以上)。出店にあたっての初期費用は、販売する商品によって保証金が 5000-2 万元、出店費用が年間 3600-6000 元かかるほか、品質検査料として1 ブランドについて 200 元、追加 1 ブランドごとに 50 元かかる。販売手数料は注文金額の 6%。別途有料でフルフィルメントサービスや各種プロモーションサービスが利用できるほか、運営代行業者や物流倉庫など提携業者を紹介してもらうこともできる。

2. 垂直型 BtoC サイト

● 紅孩子(redbaby) http://redbaby.suning.com/

2004 年 3 月にベビー用品の EC サイトとして誕生。2012 年 9 月に蘇寧電器に買収された後、蘇寧電器が運営する EC サイト「蘇寧易購」に組み込まれた。全国に広がる蘇寧電器の店舗を窓口にしたアフターサービスや自社の物流網を利用した迅速な配送サービスへの評価が高く、2014 年中には「蘇寧紅孩子」として実店舗を全国 8 カ所に開設する。2014 年 4 月時点の会員数は 3000 万人で、中国の赤ちゃんの 6 人に 1 人が紅孩子を利用している。

出店の条件は、中国国内で法人登記をしており、資本金が 10 万元以上あること。出店にあたっての初期費用は、販売する商品によって保証金が 1-5 万元、販売手数料は売上の 2-5%で売上成績などによって返還される場合もある。このほか決済手数料として1 件ごとに注文金額の 0.4-0.6%、消費者保障基金として 0.1%、さらにポイント付与にかかる費用が発生する。

●蘑菇街 http://www.mogujie.com/

若い女性をターゲットしたファッションサイトとして 2011 年 2 月にサービスを始めた。アパレル、靴、バッグ、アクセサリー、化粧品などを中心に取扱い、2014 年 5 月時点の会員数は 8000 万人以上。特にモバイルサービスに力を入れており、 iOS やAndroid 用アプリのダウンロード数は延べ 7000 万に上る。会員からのニーズに基づき、共同購入や韓国での代理購入サービスを行っているほか、会員同士でアドバイスや情報交換ができるコミュニティも人気で、コーディネート写真や化粧品の口コミが販売増加にもつながっているようだ。

出店は、個人、個体工商戸(自営業)、中国国内に法人登記する企業のいずれも可能だが、販売商品は女性向け衣料、バッグ、靴、アクセサリー、化粧品に限られる。また子供向けや中高年向けの商品も対象外となる。資本金の条件はなく、保証金は売上金額などによって 2 万-15 万元、技術サービス費として売上の 5%(化粧品の売上は対象外)がかかる。売上額や返品数、クレームの状況などが管理されており、成績が悪ければ強制的に閉店・退去となる。また、3 日間は理由を問わず返品可能、受注から 72 時間以内に発送、配送範囲は全国といった約束があり、利用できる物流会社も指定されているため出店には注意が必要だ。

● 美麗説 http://www.meilishuo.com/

蘑菇街と同じく若い女性をターゲットにしたファッションサイトで、2009 年 11 月に誕生。18 歳から 35 歳の女性を中心に 1 億人以上の会員を抱えている。こちらもアパレル、靴、バッグ、アクセサリー、化粧品などを中心に取扱い、サイト上ではセールや共同購入のほか、コーディネートの紹介や「愛美麗 Club」というソーシャルネットワークサービスも楽しめる。モバイルアプリのダウンロード数が 7500 万件を超えており、注文のおよそ 70%がモバイルからとなっている。2014 年 6 月には出店数が 1 万件を突破した。

出店は、個人、個体工商戸(自営業)、中国国内に法人登記する企業のいずれも可能だが、販売商品は女性向け商品に限られ、子供向けや中高年向け、男性向けの商品は対象外。資本金の条件はないが、天猫(Tmall)や淘宝網(Taobao)での店舗評価が出店許可の基準になっており、天猫などに出店していない場合は別途審査を受けることになる。保証金は違約保証金として 5000 元、返品保証金として 4 半期ごとの平均売上額によって5000-10 万元、技術サービス費として 1 件につき注文金額の 5%がかかる。

3. 共同購入サイト

● 美団 http://bj.meituan.com/

2010 年 3 月にオープンした共同購入サイトで、レストラン、ホテル、映画館で使えるクーポンやバーゲン価格の衣類、家電などが購入できる。全国300 都市以上をカバーしており、50 万社以上がクーポンを提供している。年間売上は 450 億元以上で、2014 年 8月単月の売上は 45 億元だった。市場シェアは 56.1%に上り、モバイルからの利用が全体の 80%を超える。クーポンの期限が過ぎてしまったり、期限内であっても未使用であればいつでも返金に応じている。

出店の条件は、レストランやエステといったサービス業の場合は法人に限らないが、ネットショップのような小売業の場合、天猫(Tmall)に出店していることが条件となるため法人登記が必要だ。対象地域や提供する商品の種類等によって掲載費用がかかるほか、保証金として小売業の場合は 1 回の掲載につき 3 万元、長期間に渡って複数商品を掲載する場合は 10 万元を一括で納める必要がある。対象範囲は、娯楽、ファッション、飲食、ヘルスケアに関するもので、現時点では家具、電気製品、デジタル製品、医薬品、酒・タバコなどは受け付けていない。

●聚劃算 http://ju.taobao.com/

阿里巴巴の CtoC サイト「淘宝網(Taobao)」の共同購入サービスとして2010 年に誕生し、翌年に分離・独立した。2013 年の売上は 354 億元で、5000万人以上が利用している。ベンツの小型車「Smart」の共同購入で、わずか 3時間のうちに 200台以上の注文があったことは記憶に新しい。近年ではビッグデータを活用して出品する試みも始まっており、超小型洗濯機が一度に 32000 台も売れた例がある。

出店の条件は、レストランやエステといったサービス業の場合は法人に限らないが、ネットショップのような小売業の場合、天猫(Tmall) や淘宝網(Taobao)に出店していることが条件となるため、こちらも法人登記が必要だ。保証金には 3 種類あり、商家(売り手)保証金として最高 50 万元、融資凍結保証金として“単価(元)×数量”、保険保証金として融資凍結保証金の 0.3%を出品状況に応じて納める必要がある。また技術サービス費が契約内容によって 5-45 万元かかる場合もある。

4. BtoB サイト

● 阿里巴巴(1688.com) http://page.1688.com/2014/new.html

世界最大規模の BtoB サイトとして1999 年 6 月に誕生し、今では中国を含む世界 190 カ国の 3670 万社以上が利用している。海外からの資材調達、あるいは自社製品の海外販路を確保するために取引先を見つけることができる。中国国内を主なターゲットにした「阿里巴巴 1688.com」と複数言語に対応するグローバルサイトがあり、取扱う商品も原材料から機械部品、重機、日用品、アパレル製品、食品など多岐に渡る。

サービスの登録料や利用料はかからず、保証金も不要。サイトを通じて見つけた相手との取引が成立しても手数料は発生しない。有料サービスの「誠信通」は年会費 3688元で、契約すると阿里巴巴が自社の信用情報を担保してくれるほか、検索での上位表示や各種プロモーションの優先利用ができる。取引の支払いには阿里巴巴の決済サービス「支付宝(Alipay)」を利用するため、サイト上で注文から支払いまでをワンストップで行うことができる。

※1 元=17.5 円 (2014 年 10 月 27 日現在)

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この記事を書いた人

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