1. インターネットファイナンス事業のライセンス確認へ
インターネット金融リスク専項整治工作領導小組は 2018年 4 月 3 日、「インターネットを通じた資産管理業務の統治強化および検査作業に関する通知(关于加大通过互联网开展资产管理业务整治力度及开展验收工作的通知)」を発表した。いわゆるインターネットファイナンスについて、取り扱い事業者が必要なライセンスを有しているか、今年 4 月から 6 月末にかけて調査を行うとしている。
ライセンスがない事業者にはサービスの即時停止と返金を求めており、個人投資家の間では自身が投資したファンドが取り締まりにあうのか、不安の声が上がっている。
2. 非金融機関のファンド販売が横行
通知では、非金融機関は資産管理商品の販売をしてはならないことを改めて示した上で、インターネットを通じた資産管理商品の販売には、該当する金融ライセンスが必要だと強調した。具体的には、中央金融管理部門が発行する資産管理業務ライセンスあるいは資産管理商品代理販売ライセンスが必要で、ライセンスが無い事業者は即時サービスを停止し、6 月末までに残高をゼロにするよう求めている。
今回取り締まりの対象となった資産管理商品には、「定向融資計画」、「理財計画」、「資金管理計画」等と呼ばれるものが含まれる。このような商品の多くは、投資受託会社がP2P プラットフォームでファンドを募集・販売する形式をとっているが、その投資受託会社が必要なライセンスを所持していないケースが散見されるという。
なお調査は地方政府金融服務弁公室、人民銀行の分支社、各地の銀行業監督管理委員会などによって編成された専門作業チームによって行われる。必要なライセンスのないままサービスを続けていたり、期日までに残高がゼロになっていない場合には、経営許可の取り消し、WEB サイトの閉鎖、アプリの削除等の行政処分を行うとしている。
3. 規制強化も市場は成長続く
網貸天眼研究院のまとめによると、2018 年 3 月末時点で運営中の P2P レンディングプラットフォームは 2,025 あり、3 月の取引高は前年同期比 11.95%減の 1919.83 億元に上る。一方でトラブルも多く、3 月だけで 45 のプラットフォームで連絡が取れなくなったり、資金が引き出せなくなったり、突然運営を停止したりしている。しかし投資家は増加しており、3 月は前月比 25.17%増の 350.83 万人だった。全体の平均利益率は9.79%で、過去 1 年はおおむね 9~10%で推移している。
もっともインターネットファイナンス市場の規制は年々強まっており、2017 年 12 月にも「現金貸」と呼ばれる少額融資サービスで、高利貸しや違法な取り立て、詐欺行為が頻発していることを理由に、新規ライセンスの発行停止や仲介プラットフォームの閉鎖などが行われている。