Amazon AWSome Day 北京 現地レポート

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1. 開場待ちのロビーも技術交流の場に

今回の「AWSome Day」は事前に入場券が 500 枚用意されていたが当日までに配布が終了したようで、参加者の多くはプログラマ、システムエンジニア、IT マネージャ、IT関連の業務責任者などだった。当日の受付時間は朝 8 時半から 9 時半で、受付担当者がスマートフォンで二次元コードをスキャンするとすぐに登録情報が確認できるようになっており、とてもスムーズだった。

勉強会が始まる 9 時半までは、多くの来場者がロビーに出て名刺交換をしたり、他の会社のエンジニアと技術的な話題で盛り上がったりする様子がみられ、会場はたいへん活気にあふれていた。また一角には AWS の代表的な事例の構成図が展示してあり、その場にいる AWS の技術顧問に直接質問をするチャンスもあった。

構成図の展示の様子 AWS エンジニアとの交流もできる

2. AWS の実力が感じられた基調講演

スタートの 9 時半になると、一人の男性が自転車に乗って会場に現れ、そのまま舞台の中央へ。「AWSome Day」のキャラクターに似たような服装の彼は、今回の勉強会の司会を担当する AWS 中国の技術者養成・認証部の張濤総監だった。張総監の自己紹介と挨拶を聞きながら、「awesome(素晴らしい、すごいといった意味)」と同じ発音の「AWSome Day」が価値のある 1 日となることを期待したいと感じた。

司会の張濤総監はマントを付けて登場

基調講演を行う容永康 AWS グローバル副総裁

最初に行われた基調講演では、AWS グローバル副総裁兼中国区執行董事の容永康氏が「AWS 技術が導くイノベーション」と題して、AWS の発展の経緯、現在の規模、これから中国における展開について説明した。AWS が世界最大規模のクラウド環境提供者として成熟した技術を持っており、高品質で顧客のニーズに合わせたバラエティ豊かなサービスを提供していることがよく理解できた。米 Gartner 社のレポートによれば、2013 年のクラウドサービス事業者トップ 15 の中で、AWS は圧倒的な差をつけて第1位となっており、その業務総量は 2 位から 15 位までの総量の 5 倍を上回る規模だという。

また AWS は 2006 年から数えて 42 回もサービス料金の見直しを行っていることに触れ、容副総裁は「より良いサービスをより安く提供して、さらに競争力を高めるという好循環ができている」と自信を見せた。今回のタイミングでは中国でのサービス料金を明らかにしなかったが、中国市場でも競争力のある価格設定に期待したい。

3. AWS ビギナーにもわかるサービスの魅力

今回のメインである AWS のサービス説明には、方国偉 AWS 中国首席クラウド技術顧問が登壇した。サービス概要、ストレージサービス、コンピューティングとネットワーク、データベースなどについて操作の実演を交えながら解説が行われ、午前 11 時から午後 17 時のイベント終了までじっくりと話を聞くことができた。

AWS の操作画面がまだ英語のままになっており若干分かり難い部分もあったが、コンソールの機能が非常に高いと実感することができた。中でも筆者が特に関心を持ったのは、企業向けのプライベートクラウド「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」で、高レベルのセキュリティ対策と自由度の高いカスタマイズ機能を備えているためクラウドサービスの適用範囲が広がりそうだ。また方顧問は「クラウドサービスの特性は値段が安いことではなく、拡張性と柔軟性である」、「従来のサーバと違いクラウドサーバが壊れた時に考えるべきことは、それを直せるかではなく、そのまま捨てて新しいサーバを作ることだ」と述べ、クラウドの時代に持つべき新しい価値観を示した。

参加者は皆メモをとりながら方顧問の講演に集中していた

また閉会式前には抽選会が行われ、Amazon の電子ブックリーダー「Kindle」が 1 人に、Amazon 中国の商品券 100 元分が 10 人に当たったほか、最後まで聴講した参加者には出席証明書(Certificate of Attendance)が発行された。今回の「AWSome Day」は中国で初の開催ということもあり、証明書はたいへん良い記念になった。

4. 早期のサービス開始に期待

AWS は 2013 年末に中国でのサービス提供を発表して以降、一部の顧客に限定した試験運用を行っているが、サービスのローカル化、中国語への対応、ライセンスにまつわる問題など、様々な課題が残っているようだ。

すでに中国市場にはローカルのクラウドサービス事業者が数多く現れており、政府も市場の成長を支援する姿勢を明らかにしている。急速に拡大する市場を目の当たりにして AWS だけでなく、ライバルであるMicrosoft のクラウドプラットフォーム「Azure」も市場開拓に焦っている様子だが、本格的に AWS が利用できるようになれば、日系企業にとってもサービスの選択肢が増えることになるだろう。AWS がローカルパートナーと連携して、中国でも既存の AWS と変わらない質の高いサービスを手ごろな価格で提供してくれることに期待したい。

AWS 公式サイト http://www.amazonaws.cn

AWS 微博(Weibo)公式ページ http://weibo.com/amazonaws

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