1. モバイルゲーム市場概況
2013 年 12 月末時点の中国のモバイルインターネットユーザー数は 5 億人を突破し、前年末から 8009 万人増加した。インターネットユーザーに占める割合は 81.0%に達している。3G・4G サービスの値下げ、Wi-Fi エリアの整備、スマートフォン本体の低価格化、魅力的なアプリの増加などが相乗効果となってユーザー数の増加を後押ししている。
モバイルオンラインゲームのユーザー数は 2.15 億人で、前年末より 7594 万人増加した。PC で人気のオンラインゲームがモバイルに移植されたり、微信(WeChat)などのコミュニケーションツールや SNS が続々とゲームサービスを始めたりしたことで、スマートフォンで手軽にゲームを楽しむユーザーが急増している。
通信料金の値下げが進む一方で、モバイルオンラインゲームユーザーの大半は Wi-Fiを利用していることがわかった。Wi-Fi の普及が進んでいるためか、データ通信量を気にしたことがないと答えたユーザーが前年末より 3.2 ポイント増えて 49.1%に達した。
データ通信量を気にかける心配が減ったことから、ゲーム中に通信をしないオフラインゲームだけしか遊んだことのないユーザーは前年末から 34.2 ポイントも減少。逆にオンラインゲームとオフラインゲームの両方、あるいはオンラインゲームのみと答えたユーザーはいずれも大きく増加している。
モバイルゲームをするようになってPCゲームをする時間が大きく減ったと答えたユーザーは前年の 12.8%から 30.6%に増えており、PC ゲームは全く遊ばなくなったとの回答も 15.6%に上った。
またモバイルゲーム歴が 1 年以下のユーザーの 40.5%が、ゲームを始めたきっかけはメッセージアプリの微信だったと回答。微信はユーザー数 6 億人(月間アクティブユーザー数 4.68 億人)を誇っており、バラエティに富んだゲームを続々と投入していることから、今後もモバイルゲーム人口のすそ野の拡大に貢献しそうだ。
2. ゲームユーザーを知る
モバイルゲームユーザーの男女比はオフラインゲームで女性が多く、オンラインゲームでは男性が多い。また年齢別ではいずれも 30 歳以下が 7 割ほどを占めている。
ユーザーの月収別ではオフラインゲームとオンラインゲームに大きな差は見られなかった。中心となっているのは 3001-5000 元のユーザー層である。
ゲームをする場所は、寝室・宿舎(大学生の多くは学内の寮に住んでいる)が全体の85.8%に上り、家や宿舎にいる時に遊ぶ人が 77.1%を占めた。モバイルゲームはすでに日常の重要な娯楽手段となっており、隙間時間だけでなく、まとまった時間を使って遊ぶ傾向もみられる。
プレイの頻度と 1 回あたりの時間をみると、おおむねオンラインゲームの方が頻繁に長い時間遊んでいることがわかった。
3. ゲームの入手と削除について
モバイルゲームの入手は、アプリストアからダウンロードする人が最も多く、オフラインゲームで 67.6%、オンラインゲームで 58.4%を占めた。微信や QQ といったチャット・SNS アプリからのダウンロードも 56.4%に上っており、ゲーム会社にとっても膨大なユーザーにアプローチできる重要なチャネルとなっている。
ゲームを選ぶきっかけは友人の勧めが最も多い 71.5%で、続いて人気ランキングが52.3%、ゲームの種類が 34.0%となっている。またダウンロードしたゲームを 1 カ月以内に削除してしまう人はおよそ 3 割で、全体の約 8 割は半年以内に削除している。削除する理由として、ゲーム内容がつまらないことを挙げた人は 54.3%に上っており、ゲームの難度やグラフィックの美しさを理由にする人はわずかであることがわかる。
4. 課金状況
モバイルオンラインゲームユーザーのうち課金したことがあるのは 36.7%で、全体の76.8%がゲーム内のアイテムや装備を購入していた。課金の方法はネットバンキングが全体の 46.7%で最も多く、第三者決済サービス最大手の支付宝は 44.1%だった。
1 カ月あたりの課金額はオフラインゲームの 6 割が 10 元以下で、オンラインゲームの方が明らかに多くの課金をしていることがわかる。