上海市水質汚染防止管理行動計画:青浦区2020年度実施状況報告

十三五(第13次5カ年計画、2016-20年)の期間中、上海市青浦区では、長江デルタ生態緑地総合開発模範区の建設と中国国際輸入博覧会という国家戦略に関わる二大事業が進められた。

これらの事業を契機に、中央政府と青浦区が一丸となって困難に取り組んだ結果、「水十条」のすべての作業計画が大きな成果と共に完了し、すべての地表水評価作業が予定より1年早く基準を達成した。

本レポートでは、青浦区の十三五期間中の水質汚染防止・制御行動計画にまつわる実施状況報告を一部抜粋し、日本語参考訳を付けて紹介する。

1. 水質目標の達成状況

地表水の水質目標の達成状況

2020年、青浦区にある国家指定の採水地点2カ所と17の市が指定する採水地点のすべてが水質目標に達した。内訳はⅡ類が1カ所、Ⅲ類が12カ所、Ⅳ類が6カ所で、Ⅴ類以下はなかった。水質目標の達成率は100%で、水環境機能領域の達成率は94.7%、水質の優良率は68.4%だった。

2015年に比べて、水質目標の達成率は73.7%、水環境機能領域の達成率は78.9%、水質の優良率は42.1%、それぞれ向上している。

また、蘇州河-黄渡の国家指定採水地点の水質はⅣ類で、「水十条」で定めた目標を達成した。水源保護区、準水源保護区、水源保護緩衝区(市指定の採水地点でⅢ類以上)の水質の優良率は100%に達した。

黒臭水(黒くて汚臭のある水域)の改善状況

青浦区にある姚河坊、康家橋港、陽翔港、嘉隆港、苗井港の5つの河川は、住房城郷建設部による水質調査の対象となっており、2017年末に黒臭水は改善された。さらに2019年には、5つの河川すべてが住房城郷建設部と旧環境保護部が行う黒臭水監督検査に合格した。

2020年の水質モニタリングデータによると、住房城郷建設部が青浦区の5カ所で行った水質検査の結果は安定しており、水質汚染は再発していない。

2. 飲料水の安全性の保障

水源地の建設と保護

黄浦江上流の水源建設が強化され、2017年3月16日に水源の切り替えが完了したことで、飲料用水源の水質と安全保障能力が大幅に強化された。2017年末までに、飲料用水源二級保護区域にある汚水排出口358カ所が閉鎖または遮断され、さらに2019年には、二級保護区域内の工場194カ所が閉鎖されている。

2017年4月には、泖河水域でフローティングクレーン25台が撤去された。2017年12月22日24時からは長湖申運河の上海区間で、危険化学品、危険貨物、汚染危険物を運搬する船舶の航行、接岸、操業が全面的に禁止され、CCTVによる遠隔監視、海上警備艇による現場での巡回点検、警告標識の設置などが行われている。

飲料水の品質情報の公開

原水、水道水、家庭用水道水の水質を定期的にモニタリングし、水質に関する情報公開を行っている。 飲料用水源の水質は、「地表水環境品質基準」(GB3838-2002)に基づいて生態環境局が監視しており、公式サイトで定期的にデータを公開している。区水務局では、「飲料水品質基準」(DB/31-T 1091-2018)に基づくモニタリングを行っており、水道水は49の指標を四半期に1回、111の指標を年に1回検査している。

上海市水務局の「上海市公共水道水水質情報公開管理弁法」に基づき、四半期ごとに区内の水道事業者の水質検査の結果の最大値、最小値、平均値、合格率を青浦水務局の公式サイトで公表している。水道水の水質は、区の衛生健康委員会が定期的に検査し、公式サイトで結果を公表している。

3.産業構造改革と公害の防止

企業の再編

産業構造改革の3カ年行動計画を2回実施し、立ち遅れた生産設備の排除などを行って、合計で約3,500件、土地面積では約2万ムーの産業構造改革プロジェクトが完了している。

金澤鎮の黄浦江上流水源保護区をはじめとする市レベルの重点地域調整プロジェクト7件が完了し、調整対象となった企業は615社であった。青浦区の中小河川周辺の工業メーカーの特別調整を含めた市レベルの重点地域調整プロジェクトは3件で、調整対象となった企業は274社であった。

十三五では、市レベルの重要な地域調整プロジェクトに5億5600万元の支援金が承認され、これは上海市内の全区の中で最も金額が多かった。

「十小」企業の取り締まり

上海市が定めた「『十小』企業取り締まり作業計画」や国家が定めた「一部工業の後進的な生産工程、設備、製品の排除指導目録」などに照らして、青浦区では2016年に「十小」の取り締まりと水質を汚染する生産プロジェクトの産業構造改革にまつわる方案を策定したことにより、青浦区では「十小」企業が一掃された。

工業地域における汚水の全量収集と全量処理

区内の下水管網の構築と改造を推し進め、区内全域の工業汚水の全量収集と全量処理を実現した。汚水は企業で水質基準を満たすまで処理されてから排出され、家庭用下水と混合して都市の下水処理施設で処理される。維持管理モデルの正常な運行を管理し、各街道や町は下水管網の維持管理の資金を収め、同時に情報化管理手段を用いて市の排水施設の維持検査監督を強化する。

区内の生態環境の包括的管理の実施

市レベルの統一計画に基づいた各年度の市レベル、区レベル、鎮レベルの管轄区域における無許可建築ゼロ計画は、当初の計画通りに完了した。2020年は、区内にある各種違法建築物が2940件、974,200平方メートルが取り壊された。このうち建設中の違法建築物は176件、53万平方メートル、既存の違法建築物は2,764件、968,900平方メートルで、年間目標を161.48%達成した。十三五期間中では、合計217万1200平方メートルの各種違法建築物が取り壊されたことにより、生態環境の総合的な管理が効果的に行われた。

4. 河川、湖沼、地下水の汚染防止状況

小・中規模河川の状況

「水質の改善、景観の向上、生態系の改善、環境の改善」を目標に、中小河川の改善を実施した。2020年に、中小河川の整備が合計32キロメートル完了し、河跡湖113カ所が改善され、村レべルの河川175キロメートルで浚渫工事が行われた。十三五期間中の合計では、中小河川の整備が合計412キロメートル完成し、河跡湖263カ所が改善され、浚渫工事が716キロメートル行われた。

重点流域と水質基準の達成状況

「太湖流域水環境総合管理総合計画(2013年改訂版)」に基づき、2020年末までに、飲料水の安全性、都市・農村の汚水処理とゴミ処理、農業・農村の地表水の水源汚染対策、生態回復、排水プロジェクト、河川網の総合改善、節水・排出削減の7大類25項目で18のプロジェクトが完了した。現在進行中のプロジェクトは6件、そのほか長江デルタ統合計画に合わせて調整が必要なプロジェクトが1件あり、投資総額は70億4500万元に上っている。

中国語原文
上海市水污染防治行动计划实施方案 青浦区2020年度实施情况自查报告 https://www.shqp.gov.cn/env/shjgl/20210525/838299.html

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