2019年度全国「水質汚染対策アクションプラン」実施状況

中国では2015年4月に国務院が「水質汚染対策アクションプラン(水汚染防治行動計画)」を策定して以降、生態環境部と各省・市・区や各部門が協力して水質汚染対策を推し進めている。本稿は生態環境部が2020年5月に公表した2019年度のアクションプラン実施状況について、参考訳を付けて整理したものである。

1.  水質汚染物質の排出コントロール状況

2019年末までに、省レベル以上の産業集積地の97.8%が集中型汚水処理施設を建設し、オンライン自動監視装置を設置した。またガソリンスタンドの地下貯蔵タンクの漏水対策工事はすでに95.6%が完了している。

県レベル以上の市では、下水管網6万9,000キロメートルを調査し、1,000平方キロメートル以上の下水管網の空白地域を解消した。 禁止区域にあった家畜農場およそ26万3,000カ所が法律に基づいて閉鎖または移転され、18万8,000カ所の村で農村環境の包括的な改善が完了している。

2. 水の生態環境の安全確保状況

2019年中に県レベルの水源地899カ所に関する問題3,626件のうち、3,624件が是正された。さらに水源地2,804カ所にまつわる問題3,063件が是正・改善され、住民7億7,000万人分の飲料水の安全水準が改善した。

地級レベル以上の295都市にある黒く悪臭を放つ汚染水域2,899カ所について、2,513カ所が浄化された。改善率は86.7%で、このうち36の重点都市の改善率は96.2%、その他の都市では81.2%だった。

揚子江流域の沿岸線24,000キロメートルと環渤海エリアの海岸線3,600キロメートルおよび海岸線から2キロメートルのエリアの川の合流域や河口の汚染物質排出調査が完了した。

3. 河川流域の水環境管理強化の状況

分析、早期警告、通報、監督、検査を組み合わせた河川流域の環境管理に関する包括的な監督メカニズムが完成した。

「党と国家機構の改革方案」に基づいて、7カ所の河川流域・海域に生態環境監督機関とその監視・科学研究センターが設立され、水機能区監視部門と地表水環境品質監視部門の最適化と統合が基本的に完了した結果、水環境の監督効率が大幅に改善されている。

4.水質のモニタリングデータ結果

モニタリングデータによると、2019年の全国の地表水の水質は、優れた水質(Ⅰ~Ⅲ類)と使用できない水質(劣V類)の割合が74.9%と3.4%だった。2015年の結果と比べて、それぞれ8.9ポイントの上昇と6.3ポイントの減少となっており、大河川の水質は着実に改善されている。

ただし、水質汚染の防止状況は依然として厳しく、水の生態環境保護の不均衡と調整不足が比較的顕著となっている。水の生態破壊や川や湖の決壊あるいは枯渇が比較的多く見られ、都市部と農村部の環境インフラの建設には問題も見られる状況である。

重要な湖や貯水池周辺の水産養殖産業や農業では、地表汚染が顕著となっており、すみやかな解決が求められている。

5. アクションプランの実施結果

2019年の水質汚染対策アクションプランの実施状況は、重慶、貴州、海南、浙江、四川、青海、上海、甘粛、チベット、福建、河北、広西、北京、湖北、江西、湖南、天津、江蘇、寧夏、新疆、陝西、安徽の22省で良好、山東、遼寧、河南、広東の4省で比較的良好であった。

一方、吉林、内蒙古、雲南、黒龍江、山西の5省では、更なる実施の加速が必要な状況となっている。

中国語原文

生態環境部 https://www.mee.gov.cn/ywdt/hjywnews/202005/t20200516_779547.shtml

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