1. 法律の目的
未成年の心身の健康と合法的な権益を守り、道徳的で文化的な規律ある社会主義社会の未来を担う若者を育てるために本法を制定するとしている。ここでいう未成年とは18 歳未満の公民を指し、中国国内にいるのであれば外国籍や無国籍の 18 歳未満の未成年者も本法の保護を受けるとしている。(1 条、2 条)
2. 各分野における保護措置
本草案では未成年の保護について、家庭、学校、社会、IT ネットワーク、政府、司法に分けて、各分野における具体的な行動や責任を定めている。
・家庭での保護(2 章)
父母あるいは後見人は未成年者を後見する責任があるとし、未成年者の衣食住や教育を保障し、虐待や 16 歳未満の未成年者の労働、児童婚を禁じている。また未成年者がゲームにのめりこむ、あるいは心身に影響を及ぼすインターネット上の情報やコンテンツに触れられる状況を放置することを禁じている。
・学校での保護(3 章)
教職員による体罰や人格を侮辱する行為を禁止し、家庭環境や身体、学習能力などで差別したり、教育を受ける権利を侵害したりすることを禁じた。また子供どうしのいじめについても具体的な対処方法を定めている。
・社会による保護(4 章)
わいせつ、暴力、邪教、迷信、テロ、賭博、薬物といった未成年者の心身の健康を害する内容を含む新聞・雑誌、テレビ番組、インターネットコンテンツ等を未成年者に提供してはならないと定め、制作時には明確な分類表示を求めた。また小中学校の周辺では娯楽施設やインターネットカフェ等の営業を禁止し、娯楽施設に設置されたゲーム機は法定祝日を除き未成年者に利用させてはならないとしている。
・IT ネットワークによる保護(5 章)
学校や図書館などに設置されたパソコンには、未成年者保護ソフトウェアのインストールを義務付けたほか、未成年者がインターネット上でいじめや誹謗中傷などを受けていることを発見した場合、保護者から当該インターネットサービスの運営事業者に対し速やかな情報の削除を求めることができるとした。
●原文(中国語)