1. 目的と適用範囲
情報技術製品における言語およびスクリプトの使用規則を規範化することが目的である。ここでいう言語および文字とは、国家の通用言語とその文字、情報化処理が必要なその他の漢字、ピンイン、書面語で使用する句読点とアラビア数字等を指す。適用対象は、中国国内で製造、出版、発行される言語文字に対して情報化処理および内容編集を行う情報技術製品で、主に次の 2 種類に分けられる。(1 条、2 条)
① 言語文字情報処理製品:言語やスクリプトの入力、出力、保存、送信などの情報処理に関する技術製品を指す。具体的には、漢字データベース、入力方法、ワープロ、音声処理、編集・校正ツール、機械翻訳、簡体字・繁体字変換ソフトなどがある。またこれらのソフトがインストールされたコンピュータ、プリンター、通信端末、電子書籍リーダー、学習機等のハードウェアも含まれる。
② 言語文字デジタル出版物:デジタル技術を用いて言語やスクリプトの内容を編集・加工し、公開するデジタル出版物を指す。具体的には、専用端末あるいはオンラインで提供される電子書籍、新聞、定期刊行物、音楽・映像作品、文学、学習教材、地図、マンガ・アニメ、ゲーム、ニュース、地域コミュニティ情報、ブログ、ポッドキャストなどが含まれる。
2. 情報処理製品の言語文字使用規定
言語文字情報処理のソフトウェア製品は、中国語情報処理に関する標準規格、規範、および関連規定に準拠しなければならない。言語・文字情報処理のハードウェア製品は、次に列挙する規定に準拠したソフトウェア製品を搭載しなければならない。強制性国家標準規格に準拠しないソフトウェア・ハードウェアは、生産、販売、輸入してはならない。(4 条)
① 漢字の文字コードに関する標準規格、規範および関連規定
② 漢字の類型に関する標準規格、規範および関連規定
③ 漢字の入力に関する標準規格、規範および関連規定
④ 中国語の文字処理、音声処理、コーパス(大規模言語資料)構築等に関する技術規格、規範および関連規定
⑤ 国務院の教育行政部門、言語文字作業部門、工業情報化部門が認定したその他の中国の情報処理標準規格、規範、関連規定
3. デジタル出版物の言語文字使用規定
デジタル出版物が使用する言語および文字は、主に次に列挙する国家通用言語文字の使用標準規格、規範および関連規定に準拠しなければならない。またデジタル出版物は、出版管理条例 25 条および 26 条で禁止されている内容を含んではならない。(5 条)
① 普通話音声類に関する標準規格、規範および関連規定
② 中国語のピンイン・スペルに関する標準規格、規範および関連規定
③ 漢字の字形、構成要素、部首、部首、筆順、語順に関する標準規格、規範および関連規定
④ 現代中国語の語形、科学用語、中国の地名、外国語の中国語訳に関する標準規格、規範および関連規定
⑤ 教育行政部門や言語文字作業部門が認定したその他の標準規格、規範および関連規定
4. 審査・検査・監督制度
工業情報化部は、製品品質法に基づいて実施する品質検査において、本規定 4 条に準拠していない製品の品質検査を不合格とする。新聞出版主管部門は、出版管理条例に基づいて実施する出版物の内容および編集校正品質検査において、本規定 5 条に関する検査を実施する。錯誤率が校正品質規定よりも高い場合は不合格とする。(9 条)
工業情報化部門と教育行政部門および言語文字作業部門は、自主任意の原則に基づく関連単位または機構からの申請に応じて、標準規格の適合性検査を実施する。関連認証機構による標準規格準拠を証明する認証の発行を奨励し、本規定 4 条第 2 項に準拠する製品には認証証書を発行する。(10 条)
各レベルの教育行政部門および言語文字作業部門は、本規定の 3 条、4 条、5 条の規定に照らして、各種情報技術製品の言語文字使用状況を日常的に監測し、規定に準拠しない製品は速やかに関連部門に通報し、対処する。(12 条)
●原文(中国語)
http://www.moj.gov.cn/news/content/2020-06/05/zlk_3250008.html
本レポートは「中国法令アラートサービス 2020 年 6 月号」の内容を一部抜粋、編集したものです。「中国法令アラートサービス」では、最新の法令・制度変更に関する詳細および予想される日系企業への影響、実務で得た動向変化に関する情報等を毎月 PDF でお届けしています。