1. インターネット利用者数
2015 年 12 月末時点の中国のインターネット利用者数は 6.88 億人で、この 1 年間に3951 万人増加した。インターネットの普及率は 50.3%で、2014 年末に比べて 2.4 ポイント上昇している。普及率は初めて 50%を超えた。
また 2015 年 12 月末時点の中国のモバイルインターネット利用者数は 6.20 億人で、2014 年末から 6303 万人増加した。インターネット利用者全体に占める割合は、2014 年末の 85.8%から 90.1%に上昇している。
新規インターネット利用者の増加をけん引するのは引き続きスマートフォンを中心としたモバイル端末だ。スマートフォンのみでインターネットを利用している人は 1.27億人で、インターネット利用者全体の 18.5%を占めている。様々な新サービスの登場でモバイルインターネットが全く新しい社会生活のスタイルを生み出し、利用者の日常生活を変化させている。今後はより身近で生活に密着したサービスが誕生し、3-4 級都市や農村地域の住民の間でも利用が増えていくことが予想される。
インターネット利用者を居住地別にみると農村住民の割合は 28.4%で、2014 年末に比べて 1694 万人増加し 1.95 億人となった。一方の都市部住民の割合は 72.5%で、2014 年末より 2257 万人増加し 4.93 億人となっている。
2. インターネット利用者の特徴
2015 年 12 月末時点のインターネット利用者の男女比率は 53.6:46.4 で、女性の利用がわずかに増えバランスが改善した。
インターネット利用者の年齢構成を見ると、10-39 歳が全体の 75.1%を占め、このうち 20-29 歳が最も多い 29.9%となっている。10-19 歳、30-39 歳の割合はそれぞれ 21.4%と 23.8%となった。2014 年末と比べて、10 歳以下の低年齢層と 40 歳以下の中高年層で利用者が増加している。
学歴別では、中学程度の利用者が最も多く、中学と高校・高専の割合はそれぞれ 37.4%と 29.2%だった。2014 年末と比べて小学以下の割合が 2.6 ポイントも上昇しており、低学歴の層にまでインターネットが浸透しつつあることが分かる。
職業別では、学生が最も多い 25.2%を占め、自由業者の 22.1%が続いた。
月収別では、2001-3000 元と 3001-5000 元の層が最も多く、それぞれ 18.4%と 23.4%を占めている。社会経済の発展によってインターネット利用者の収入水準も徐々に上がっており、2014 年末と比べて 3000 元以上の層が 5.4 ポイントも増えている。
3. インターネット接続方法
2015 年はスマートフォンなどの携帯電話からインターネットを利用する人がさらに増え、デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレットからの利用が軒並み減少した。また家庭用ゲーム機の普及で、テレビからのインターネット利用が 2014 年末に比べて 2.3 ポイント増加している。
また利用者 1 人当たりの 1 週間の平均利用時間は 26.2 時間で、2014 年末から横ばいとなっている。なお Wi-Fi 接続の利用比率は 2014 年末の 83.2%から 2015 年末は 91.8%に上昇している。
4. 各種インターネットサービスの利用状況
各種インターネットサービスの利用状況を見ると、BBS を除いていずれも利用者が増加し続けていることがわかった。特にインターネットを使った株取引やファンドの利用は 54.3%も増加しており、オンラインでの決済も 36.8%増と好調だ。インスタントメッセージや検索エンジン、ニュースといったサービスは、成長の限界に達しつつあるが、ユーザー体験の改善で利用者数を維持している。一方のショッピングや共同購入といった消費類サービスは、運営側の積極的な市場開拓によってさらなる成長が期待される。
またモバイル機器からのインターネットサービス利用に限ってみると、決済や株取引・ファンドの利用者が大幅に増加し、それぞれ 64.5%増の 3.57 億人と 120.5%増の4293 万人になったほか、ショッピングや旅行予約も好調に推移した。
「第37次中国互聯網絡発展状況統計報告」(中国語、全文)