<本調査について>
中国インターネット発展情報統計(中国互聯網絡発展状況統計報告)は、中国政府が管轄する中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が発行する調査レポートで、1997年より毎年1月と7月の年2回発表されている。 今回の調査期間は2013年12月31日までとし、全国31の省・自治区・直轄市に定住する6歳以上の住民を対象としている。個人ユーザーに関する調査では、固定電話契約者と携帯電話契約者それぞれ3万人、合計6万人を無作為に抽出し、コンピュータを用いた電話調査(CATI)を行っている。 また調査レポートでは、インターネット利用者について「過去半年以内にインターネットを利用した6歳以上の中国住民」と定義しており、モバイルインターネット利用者については「過去半年以内に携帯電話などで接続してインターネットを利用したユーザーで、携帯電話のみでの利用に限らない」、パソコンインターネット利用者については「過去半年以内にパソコンなどで接続してインターネットを利用したユーザーで、パソコンのみでの利用に限らない」と定めている。 なおこの調査の対象地域は中国大陸に限られており、香港、マカオ、台湾はデータに含まれていない。 |
1.インターネット利用者数
2013年12月末時点の中国のインターネット利用者数は6.18億人で、この1年間に5358万人増加した。インターネットの普及率は45.8%で、2012年末に比べて3.7ポイント上昇した。普及率の増加幅は前年に引き続き縮小する傾向にある。
また2013年12月末時点の中国のモバイルインターネット利用者数は5.0億人で、2012年末から8009万人増加した。インターネット利用者全体に占める割合は、2012年末の74.5%から81.0%に上昇している。
モバイルインターネットの利用者増加を後押ししたのは、スマートフォンの普及に加え、3Gネットワークの拡大や通信料金の低下、公共無線LANのカバーエリア拡大が挙げられる。工業情報化部のまとめによれば、2013年1-10月の中国におけるスマートフォンの出荷台数は3.48万台だった。同年11月末時点の3G契約数は3.86億件に達し、前年同期より1.54億件も増加している。
インターネット利用者全体に占める農村住民の割合は28.6%で、1.77億人となった。2012年末に比べて2101万人増加し、前年同期比13.5%の成長となった。
2.インターネット利用者の特徴
2013年12月末時点のインターネット利用者の男女比率は56:44で、わずかながら男性の利用が増えた。
インターネット利用者のうち20-29歳の比率が31.2%と最も高かった。全体の構成は2012年と大きく変わっていないが、若年層と高齢者層でわずかながら伸びが見られることから、引き続き利用者の増加が期待される。
学歴別では、高学歴の層ではすでにインターネット普及率が高い水準に達しているため、更なる増加は望めない状況だ。一方、小学以下や中学までの層でわずかに増加しており、インターネット利用者は低学歴の層を中心に増加を続けそうだ。
職業別では、学生のインターネット利用者が25.5%で最も多かった。次に自営業の人が18.6%で続いた。会社員では管理職が2.1%、一般職員が11.4%となっている。
月収別では、2001-3000元と3001-5000元の層が最も多く、それぞれ17.8%と15.8%を占めている。一方、500元以下と収入なしの層はあわせて20.8%に
3.インターネット接続方法
携帯電話からインターネットをする人が増加傾向にあり、74.5%から81.0%に1年で6.5ポイントも増加した。一方でデスクトップパソコンやノーとパソコンから接続する人はわずかながら減少している。
また利用者1人当たりの1週間の平均利用時間は25.0時間で、2012年末に比べて4.5時間も増加した。WiFiや3Gの環境整備が進み、特にすき間時間を使ってインターネットで読書やニュースをチェックする時間が増えた。またソーシャルネットワークサービスや生活サービス類のアプリが増加したことも利用時間の増加を後押しした。
4. 各種インターネットサービスの利用状況
モバイル機器からの利用を含むインターネットサービス全体をみると、インスタントメッセージサービスの利用が最も多く、引き続き利用者が増加しているが、微博やSNSといったソーシャルサービスは利用率が下がったり伸び悩んでいる。一方でショッピング、共同購入、旅行予約といったサービスは、順調に拡大を続けている。
「第33次中国互聯網絡発展状況統計報告」(中国語、全文)