第32回 中国インターネット発展情報統計(抜粋・参考訳)

<本調査について>

中国インターネット発展情報統計(中国互聯網絡発展状況統計報告)は、中国政府が管轄する中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が発行する調査レポートで、1997年より毎年1月と7月の年2回発表されている。 今回の調査期間は2013年6月30日までとし、全国31の省・自治区・直轄市に定住する6歳以上の住民を対象としている。個人ユーザーに関する調査では、固定電話契約者と携帯電話契約者それぞれ1万5000人、合計3万人を無作為に抽出し、コンピュータを用いた電話調査(CATI)を行っている。 また調査レポートでは、インターネット利用者について「過去半年以内にインターネットを利用した6歳以上の中国住民」と定めており、モバイルインターネット利用者については「過去半年以内に携帯電話からインターネットを利用したユーザーで、携帯電話のみでの利用に限らない」、パソコンインターネット利用者については「過去半年以内にパソコンからインターネットを利用したユーザーで、パソコンのみでの利用に限らない」と定めている。 なおこの調査の対象地域は中国大陸に限られており、香港、マカオ、台湾はデータに含まれていない。
目次

インターネット利用者数

2013年6月末時点の中国のインターネット利用者数は5.91億人で、この1年間に2656万人増加した。インターネットの普及率は44.1%で、2012年末に比べて2.0ポイント上昇した。普及率の増加幅は前年に引き続き縮小する傾向にある。


また2013年6月末時点の中国のモバイルインターネット利用者数は4.64億人で、2012年末から4379万人増加した。インターネット利用者全体に占める割合は、2012年末の74.5%から78.5%に上昇している。

モバイルインターネットの利用者増加を後押ししたのは、スマートフォンの普及はもちろん、公共無線LANやポータルWiFi機器の普及とゲームを含む様々なアプリケーションの登場だ。地図やナビ、インターネットショッピング、決済といった生活に密着したサービスを中心に利用が増えたことで、インターネット経済の成長にもつながっている。

インターネット利用者全体に占める農村住民の割合は27.9%で、1.65億人となった。2012年末に比べて908万人増加し、前期比5.8%の成長となった。

インターネット利用者の特徴

2013年6月末時点のインターネット利用者の男女比率は55.6:44.4で、2012年とほぼ変わらなかった。


インターネット利用者のうち30歳以上の各年齢層でわずかながら増加が見られた。30歳以上の利用者が全体に占める割合は46.0%で、前年末より2.1ポイント上昇した。


学歴別では、小学以下や中学までの層でわずかに増加しており、低学歴層がインターネット利用者の増加をけん引していることがわかる。一方高学歴の層では、すでにインターネット普及率が高い水準に達しているため、更なる増加は望めない状況だ。

職業別では、学生のインターネット利用者が26.8%で最も多かった。退職と無職の利用者がそれぞれ3.3%と11.2%で2012年末よりも1ポイントあまり増加しており、インターネットの利用ハードルは下がる傾向にある。

月収別では、500元以下と収入なしの層で利用者が増加している。モバイル端末の価格が下がり続けているため、収入が少ない層にもインターネットが手軽なものになっているようだ。

インターネット接続方法

デスクトップパソコンからインターネットを利用する人の割合は全体の69.5%で、2012年末より1.1ポイント減少した。一方、携帯電話を利用する人は74.5%から78.5%に増えている。

また2013年上半期(1-6月)のインターネット利用者1人当たりの1週間の平均インターネット利用時間は21.7時間で、2012年末に比べて1.2時間増加した。中でも携帯電話からインターネットを利用する時間は、1人当たりの1週間の平均が11.8時間となっており、全体の79.9%が毎日1回以上利用すると答えている。

各種インターネットサービスの利用状況

2013年上半期も引き続き各種インターネットサービスの利用は増加しており、インスタントメッセージやショッピングといったサービスの利用者は大幅に増えた。一方で、EメールやBBSといった古くからあるサービスは利用者が減少している。

携帯電話からの利用に絞ると、Eメールを除いておおむね利用率が増加している。インスタントメッセージの利用者は3.97億人で、2012年末より4520万人増加したほか、検索エンジンは3.24億人で同3293万人増加、微博は2.3億人で同2710万人増加となった。また最も成長率が大きかったのは決済で、利用者は7911万人、利用率は17.1%と2012年末より3.9ポイント増加した。モバイル機器からのネットショッピングの利用が増えたことが原因の一つとみられ、ショッピングの利用者は7636万人、利用率は16.5%で同3.3ポイント増加している。

「第32次中国互聯網絡発展状況統計報告」(中国語、全文) http://www.cnnic.cn/hlwfzyj/hlwxzbg/hlwtjbg/201307/P020130717505343100851.pdf

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この記事を書いた人

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