中国政府、子供の視力問題に着手、近視予防・進行抑制の実施方案

目次

1. 目的

本方案では、中国の子供たちに近視が増えている現状について、学業の負担増加やスマートフォン・パソコンなどの電子機器の普及が大きな要因になっていると指摘。社会全体で子供たちの目を守ることを目的に、政府、学校、医療、家庭、学生のそれぞれが取るべき具体的な取り組みを定めている。

2. 目標

  • 2023 年までに全国の児童青少年の近視率を 2018 年に比べて毎年 0.5 ポイント以上引き下げる。特に近視率の高い省では毎年 1 ポイント以上引き下げる。
  • 2030 年までに全国の児童青少年の近視率を 6 歳の児童で 3%程度に、小学生で 38%以下に、中学生で 60%以下に、高校生で 70%以下に、それぞれ引き下げる。

3. 政府部門の取り組み

  • 教育部:「学校衛生工作条例」と「中小学健康教育指導綱要」の修正を急ぐ。医療系、教育系大学での専門人材育成を推し進める。
  • 国家衛生健康委員会:条件の整った地域に近視予防拠点を設ける。児童青少年の視力の健康と危険因子に関するオンライン監測を強化し、データを収集する。2019 年末までに学習用教材、試験、ワークブック、印刷物やこれらに用いるフォントおよび用紙、学習用照明器具等に関する強制性標準規格を制定する。採光や照明に関する標準規格に適合しているか、学校、幼稚園、塾等に対しサンプル調査を行う。
  • 体育総局:児童青少年の屋外活動と運動に適した場所を増やし、施設を開放する。スポーツ活動への参加を促し、休暇中の合宿練習、大会等のイベントを実施する。
  • 市場監督管理総局:眼鏡と眼鏡用レンズの生産、流通、販売に対する検査を強化する。虚偽あるいは違法な近視予防、近視改善に関する広告を取り締まる。
  • 国家新聞出版署:オンラインゲームの総数を管理し、新規タイトルのリリース数を抑制する。国情に適したオンラインゲームのレーティング制度を模索し、未成年のゲーム時間の制限策を導入する。
  • 広播電視総局等:テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット、ニューメディア等を通じて、公益広告等の形で多元的、多角的に近視の予防・進行抑制に関する知識の普及を図る。

原文(中国語)

あわせて読みたい
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中国ビジネスをワンストップでご支援しています。クララは20年以上にわたり日本と中国の間のビジネスを牽引している会社で、日中両国の実務経験と中国弁護士資格を有するコンサルタントの視点・知見・ネットワーク・実行力を生かして、お客様の課題解決と企業成長を強力に支援しています。

Webサイトはこちら
>>日本企業の「中国事業支援」で実績20年以上 | クララ

目次