中国の少子高齢化はどこまで進んだ?最新人口動向から紐解く、日本企業が次に狙うべき市場

目次

要約と結論

中国の2025年の出生数は792万人と建国以来初めて800万人を下回り、少子化が深刻化しています。一方で65歳以上の人口は2億2,365万人に達し、高齢化率は15.9%に達する「高齢社会」です。急速な少子高齢化に伴い、中国では「銀髪経済」市場が急拡大しています。

本稿では中国の人口動態とそれを踏まえて日本企業の活躍できる領域について整理します。

進む少子化|10年で半減した出生数

2025年の総人口は14億489万人となり、前年比で339万人減少しました。2022年から4年連続の減少で、その減少幅は年々拡大しています。

2016年に「一人っ子政策」の廃止に伴い約1,786万人まで回復した出生数ですが、その後は急減し、2025年の出生数は792万人となり、1949年の建国以来、初めて800万人の大台を割り込みました。2024年は「辰年効果」(干支で縁起が良いとされる辰年には出産が増える傾向のこと)で一時的に増加に転じましたが、長期的にはさらに少子化が進む見込みです。

10年で、出生数1500万人超だったのが半減し、高齢化率も15%を超えた

進む高齢化|65歳以上人口は2億人超

次に高齢化について、高齢化の進展スピードを測る指標である以下の「高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)を用いた国連の定義に沿って現状を確認します。

2025年の中国の高齢化率は15.9%で、現在の中国は「高齢社会」の水準でまだ「超高齢化社会」には達していないものの、すでに65歳以上人口は日本の総人口の1.8倍の2億2,365万人に達しています。

名称高齢化率(65歳以上人口比率)
高齢化社会7%以上
高齢社会14%以上
超高齢化社会21%以上
高齢化の進行具合に応じた指標の定義

ちなみに、日本の内閣府の資料によると、日本が高齢化率14.6%に到達し「高齢社会」になったのは約30年前の1995年で、2007年には高齢化率21%を超え「超高齢化社会」になりました。その後も高齢化は進み2025年10月時点の日本の高齢化率は29.4%、65歳以上人口は3,620万人となっています。

中国の高齢化率は今のところ日本より低いものの、すでに65歳以上の高齢者が日本の総人口を上回る2億人以上、65歳以上の高齢者人口のみで比較すると6倍以上となるため、日本をはるかに上回る高齢者市場が今後はさらに拡大していくこととなります。

注目すべき銀髪経済の拡大

中国メディアによると、中国政府は2028年末をめどに長期介護保険制度の整備を全国民に拡大すると発表しました。要介護者に生活・医療のセーフティーネットを提供することで、家庭の負担が軽減されることが期待されると報じています。

こうした政府の積極的な支援を追い風に、中国の「銀髪経済(シルバー経済)は急速に多様化しています。単なる生活支援にとどまらず、高齢者の健康維持や住環境の改善、さらにはQOL(生活の質)向上に関わる幅広いサービスが新たな市場機会を生み出しています。

特に、以下の4分野が注目されています。

  • 介護・医療分野のIoT、AIによる省人化
  • 健康食品・生活消費財
  • 住宅・居住空間インフラ
  • シニア向けサービス・娯楽・旅行

なお、「銀髪経済」についてより詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

少子高齢化から生まれる「次なる成長の種」

高齢化に対する政府の対応や「銀髪経済(シルバー経済)への促進策のように、少子化に対しても中国政府は「生育友好型社会(出産・育児に優しい社会)を掲げ、国策として、高齢化・少子化対策を急ピッチで進めています。

また、「銀髪経済」に関しては、現在の中国の今後のシニア世代は、「購買意欲が高く、デジタルツールも使いこなす」という新しい消費特性を持っている点などを含め、単なる介護や医療ニーズの増加にとどまらず、エンターテインメントや親子のコミュニケーション、ライフスタイルの変革といった広範なビジネス領域の誕生を意味しています。

少子高齢化で先行する日本での経験値という「武器」を、いかに中国の最新の市場特性と掛け合わせるか。これからの日系企業には、過去のデータに囚われない柔軟な市場開拓アプローチが求められています。

出典・データ算出方法について
・ 本文中の数値は、中国国家統計局が毎年発表する『国民経済・社会発展統計公報』を参照
・2020年の数値のみ、同じく国家統計局の『2020年中国児童人口状況事実データ』を参照
・なお、四捨五入により合計と小計が一致しない場合がある
・表・グラフは上記に基づき筆者が作成
・引用元

https://www.stats.gov.cn/sj/tjgb/ndtjgb/qgndtjgb/
https://www.stats.gov.cn/zs/tjwh/tjkw/tjzl/202304/P020230419425666818737.pdf

中国のシニア・消費市場に関心をお持ちの企業様へ

本記事では、最新の統計データを通じて、中国における少子高齢化の急速な進展や「銀髪経済(シルバー経済)」市場の急拡大、そして日系企業にとってのビジネスチャンスについてご紹介しました。

中国市場では、国策によるシニア産業の育成や若者のライフスタイルの変化を背景に、市場構造や消費行動が日々変化しています。

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