深セン特区ビザ取得レポート

中国は海外からの訪中にあたり2023年1月8日を以て隔離措置を解除し、中国ビザさえ取得していれば訪問することが可能となった。ただし、ノービザ政策が再開されてない状況下においてビザ申請が混みあい1ヶ月以上の期間を見込まなければいけない状況にある。

例外として、深センではイミグレにて特区旅行ビザを取得することができ、この特区旅行ビザは日本での手続きなしで直接深センのイミグレを訪問し、取得・入国することができる。

2023年5月の時点で、筆者は深セン特区ビザを取得し実際に深センを訪問しており、実体験を含めて取得方法を以下にまとめる。

目次

訪中ノービザ政策(2023年8月時点)

7月23日、中国政府はシンガポール・ブルネイの両国籍に対し、滞在日数15日以内の査証(ビザ)免除措置を再開すると発表した。

コロナ禍以前、日本は当該ノービザ政策の該当国であったが今現在その兆しは見えないままである。よって中国を訪問するにはビジネス・旅行に限らず、特区ビザの取得を除き、中国ビザセンターにてビザの取得が必要な状況にある。

参考:ビザ政策から垣間見える日中間の関係

深セン特区ビザについて

中国深センは、コロナ禍以前から該当する外国籍の旅行客に対し深セン特区旅行ビザ(特区旅游签证)を発行してきた。

日本国籍には馴染みのないビザであったが、訪中にビザが必須となった今では、指定のイミグレで申請・取得可能となる当該ビザを利用する人も多くみられる。

滞在できるのは深セン市内だけであり、他の都市への訪問は禁止されている。

中国への渡航がしやすくなった2023年、GW・お盆などの連休時に多くの日本人が香港を経由して当該ビザを取得し深センを訪問している。

取得可能なイミグレと営業時間(香港からの陸路のケース)

  • 羅湖口岸9:00 – 16:30
  • 皇崗口岸9:00 – 16:30

※その他に海路で蛇口口岸、空路で宝安国際空港で取得可能とされている。

取得条件

  1. パスポートの余白1ページ
  2. 申請費用(168元)

※支払は現金ではなくクレジットカードが要求されるため、事前準備が必要となる。

滞在可能日数

申請日の翌日から5日間

5/5申請の場合、5/10まで

申請プロセス

  1. 窓口にて整理番号・申請書をもらい記入する。
  2. 申請書・パスポートを提出し、クレジットカードにて支払を行う。
  3. 写真機にてビザ用の写真撮影をする。
  4. 60分前後(混み具合による)待ちパスポートを受け取る。
ビザ用の写真撮影機

注意点

  • 1日に対応可能な人数に制限があるため、早めに行くのが望ましい。午前中は60件までしか対応しないなどの情報もあり、午後まで待たされるケースもある。
  • 申請から取得まで時間がかかるため、1~2時間かかることを想定しておくのが良い。
  • 入国・ビザ申請の要件などは、時期・政治情勢等によって、変更がありえるため、他の公開情報も確認の上、訪問頂きたい。

その他

  • 筆者は、香港空港から乗り合いバスで皇崗口岸に向かい午前10時頃到着した。既に十数人が待っている状態で11時頃通過できた。
  • 同じくビザ取得のために、待っている外国人も多数いるため順番を待っている人に確認してみるのもよい。ただし、最初の整理券をもらうまでは早い者勝ちとなる。混雑する日にはとにかく窓口にたどり着く根気が必要となる。
  • 入国時とも重複するが、深センでの滞在先・中国国内での緊急連絡先(携帯番号)等の記入も必要となるため、事前に準備するのが望ましい。
  • 入国時には「深センでどこに滞在するのか?目的は?」といった簡単な質問をされた。
  • 中国訪問時には、抗原検査又はPCR検査結果が必要とはされているが、実務上、確認されることはなかった。ただし、入国時に健康申告のQR提示は要求されるため、入国24時間前から入国までに申請し準備をする必要がある。QRをWeChatでスキャン、資料を記入すれば申告用のQRが生成される。
  • 日本国籍以外も取得は可能であるが、金額が異なる。
ビザ取得窓口。混み合っている。
このQRをWeChatでスキャン、資料を記入すれば申告用のQRが生成される
ビザ取得金額一覧。国により金額が異なる。
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この記事を書いた人

中国人民大学 経済学部を卒業後、広東敬海法律事務所にてクライアントマネージャーとして勤務。中国法のコンサルティング業務の実績を積み、香港にコンサルティング会社を設立後、日系企業向けにリーガル・コンサルティング事業を展開。中国での事業経験を活かし、日本企業向けに中国市場調査(タイヤ・オイル・冷却器等)を実施し、中国進出に向けて現地パートナー企業の開拓なども行っている。

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