<本調査について>
「2021年全国未成年者インターネット使用状況研究報告(2021年全国未成年人互联网使用情况研究报告)」は、中国政府が管轄する中国互聯網絡信息中心(CNNIC)が発行する調査レポートで、2018年より毎年調査が行われている。
今回の調査では、全国31の省・自治区・直轄市に住む18歳以下の小学生、中学生、高校生、中等職業学校生に調査用紙を配布し(新型コロナウイルスの感染拡大の影響がある一部の都市ではオンライン調査を実施)、4万1264件の有効回答を回収した。このうち未成年者の回答は2万6349件で、ほかに保護者の回答が1万3283件、教員の回答が1632件含まれている。
なおこの調査の対象地域は中国大陸に限られており、香港、マカオ、台湾はデータに含まれていない。
未成年者へのインターネット普及状況
中国の未成年者におけるインターネットの普及状況は4年連続で増長傾向にあり、2021年の未成年者のインターネット利用者総数は1.91億人だった。未成年者全体におけるインターネット普及率は96.8%となり、2020年に比べて1.9ポイント上昇した。
都市部と農村部のインターネット普及率の差は2018年以降縮小が続いている。2018年には両者の間には5.4ポイントの差があったが、2019年には3.6ポイント、2020年には0.3ポイントまで縮小している。
2021年の都市部の未成年者のインターネット普及率は96.7%、農村部の未成年者のインターネット普及率は97.3%だった。2020年と比較してそれぞれ1.7ポイント、2.6ポイント上昇しており、農村部の未成年者のインターネット普及率が、初めて都市部の普及率を上回った。
さらに分析を進めると、小学生の段階では都市部の未成年者のインターネット普及率が0.8ポイント高かったが、中学生の段階から農村部の未成年者のインターネット普及率が都市部に比べて高くなる傾向があり、高校生の段階では1.5ポイントと最も大きな開きがあることがわかった。
小中学生のインターネット普及率はさらに上昇傾向にある。2021年の小学生のインターネット普及率は95.0%で、2020年の92.1%より2.9ポイント上昇した。また中学生のインターネット普及率は99.4%で、2020年の98.1%よりこちらも1.3ポイント上昇している。一方、高校生のインターネット普及率は98.4%、中等職業教育学生のインターネット普及率は98.8%で、2020年とほとんど差がなかった。
未成年のインターネット利用が低年齢化する傾向はさらに顕著となっている。未成年者の多くは、小学生になってからか、または小学校入学前からインターネットを利用し始めており、その割合は年齢が低いほど高くなっている。小学校入学前に初めてインターネットを利用した小学生の割合は28.2%に達しているが、中学生、高校生、中等職業教育学生が小学校入学前にインターネットを利用し始めた割合は、いずれも20%前後だった。
未成年者のインターネット普及率には、次の3つの特徴がある。 まず、未成年者全体のインターネット普及率がさらに上昇し、2021年には2020年比で1.9ポイント増の96.8%に達した。 次に、都市部と農村部の未成年者のインターネット普及率の差は2018年から縮小を続けており、2021年には都市部の未成年者のインターネット普及率は96.7%、農村部の未成年者のインターネット普及率は97.3%となり、小学生を除き農村部の未成年者のインターネット普及率は都市部の未成年者のそれを上回る状況となっている。最後に、小学生のインターネット普及率が95.0%に達し、就学前にインターネットの利用を始めたという小学生が28.2%となるなど、未成年者層にインターネットの利用が広がる低年齢化の傾向が顕著となっている。
未成年者のインターネット接続環境
未成年のインターネット利用者のうち、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートウォッチ等を利用してインターネットにアクセスする割合は、それぞれ41.1%、38.4%、45.7%、39.3%となり、いずれも2020年より増加している。
一方で、携帯電話を利用してインターネットにアクセスする割合は90.7%となり、2020年より1.5ポイント減少している。
今回の調査では、スマート電気スタンド、スマートスピーカー、ペン型辞書などの新しいインターネットデバイスが初めて調査対象に含まれており、未成年のインターネット利用者の割合はそれぞれ21.7%、19.9%、16.4%に達している。
このうち、小学生のスマート電気スタンドの使用率は21.8%に達し、高校生の19.5%、中等職業教育学生の18.7%よりも高かった。また、小学生のペン型辞書の使用率は17.3%で、高校生の15.2%、中等職業教育学生の13.6%よりも高く、いずれの端末も「年齢が低いほど利用率が高い」という傾向が見て取れる。
都市部と農村部それぞれの未成年のインターネット利用者によるインターネット接続機器の利用状況を比較すると、都市部の未成年のインターネット利用者は様々な機器を利用しているのに対し、農村部の未成年のインターネット利用者は比較的単一の機器を利用していることが分かる。
農村部のインターネット未成年者が携帯電話を用いてインターネットにアクセスする割合は92.5%で、都市部のインターネット未成年者に比べて唯一利用率が高い。一方で、その他のインターネット機器の利用割合は、都市部の未成年のインターネット利用者よりも著しく低くなっている。
未成年のインターネット利用者が自分専用のインターネット接続機器を所有する割合は86.7%に達し、2020年から3.8ポイント上昇した。未成年のインターネット利用者が所有するインターネット接続機器は、携帯電話が60.9%と最も多く、次いでスマートウォッチが33.3%、タブレット端末が27.9%となっている。2020年と比べて携帯電話の所有率は減少し、その他のインターネット接続機器の所有率が増加している。
また都市部と農村部それぞれの未成年のインターネット利用者の間では、インターネット接続機器の所有率に大きな差がある。農村部の未成年のインターネット利用者のうち、自分の携帯電話を所有している人の割合は69.2%で、都市部の未成年のインターネット利用者の58.3%に比べて10.9ポイント高いが、その他のインターネット接続機器を所有している人の割合は都市部のインターネット利用者に比べ大幅に低くなっている。
「2021年全国未成年人互联网使用情况研究报告」(中国語、全文)
http://www.cnnic.cn/n4/2022/1201/c116-10690.html
本レポートに含まれる情報は、中国互聯網絡信息中心発行の「2021年全国未成年者インターネット使用状況研究報告」(2022年12月)をクララが一部抜粋し、理解を助ける参考訳としてご案内するものです。詳細は必ず原文でご確認ください。
中国互聯網絡信息中心 http://cnnic.com.cn