発展続ける 中国の高齢者向けヘルスケア産業

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<概要>

中国の人口構成比は、年々高齢化の一途をたどっている。国連人口部の統計によると、中国における60歳以上の人口比率は、2000年には初の10%超え、2002年には総人口に占める65歳以上の割合が7%を超え、高齢化社会へと突入した。

中国社会の高齢化度合いを見ると、2019年時点で65歳以上の高齢者人口の割合は11.5%。日本やドイツ、フランス等の先進国に比べると大幅に低いものの、高齢化初期段階にあった1990年代の日本や、1960年代のドイツとほぼ同レベルとなっている。国連人口部の推計によると、中国では2025年には総人口比に占める65歳以上の割合が14.05%に達し、深刻な高齢社会へと突入する見込みだ。今後20年で、中国の高齢化はさらに加速し、国民の老後の生活保障への需要はさらに高まっていくとみられる。

欧米等の先進国のヘルスケア産業は、GDP(国内総生産)の20%以上を占めるのに対し、中国はわずか7%にとどまる。需要供給もアンバランスな発展初期段階にあるものの今後、政府による政策支援も後押しすることで、中国のヘルスケア産業は、大きな発展の余地を秘めている。2020年のその実態と注目の企業を紹介する。


中国における高齢者人口、ヘルスケア市場規模の推移

中国ヘルスケア産業は、国家政策による後押しと産業技術の発展、さらには社会と市場の需要と供給のバランスが噛み合い出し、市場拡大を続けている。データによると、2019年には、市場規模が6兆元に達し、前年同期比30.2%増となっている。中国社会科学院『中国ヘルスケア産業発展白書』によると、2030年までには、市場規模が13兆元にまで拡大すると推測している。

加速する高齢化

2019年末時点で、中国の65歳以上の人口は1.76億人、2018年と比較して945万人増加した。同年の出生人口数は1,465万人、出生率は10.48%となっている。

中国における高齢者向けヘルスケア産業に関わる政策

大手高齢者向けサービス企業:福寿康 

在宅介護に強み、サービス効率化を重視

  • 創業:2011年
  • 融資情況:2018年4月エンジェルラウンド(華医資本)、2018年9月Aラウンド(蘇州斉英社、華医資本、達晨創投、復星医薬、斉亨投資)
  • 代表者:張軍 董事長
  • 主要業務:高齢者向デイケア・在宅介護サービス提供
  • サービス拠点を11都市に展開し、2018年は4,000名の高齢者にサービスを提供。営業収入1.5億人民元

サービス内容

  1. 長期介護 長期介護保険加入者向けに、27項目の基本生活介助と15項目の常用臨床介護サービスを提供
  2. 家庭看護師:術後または退院後の患者向けに介助サービスを制定、医療介護、専門介護、生活機能トレーニング、病院介助付きサービスを提供
  3. その他:VIP看護、リハビリ指導、認知症介護等。
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