1. 社用携帯に突然の通知
北京市内では、会社名義で契約した中国聯通の携帯電話宛に、携帯電話を所持する社員個人の実名登録を求める SMS(ショートメッセージ)が届いている。おおよその内容は、「会社名義の携帯電話であっても使用者個人の実名を登録しなければならない。登録しない場合、当該電話番号の利用を停止する。当該電話番号で違法行為が確認されれば、会社ではなく使用する個人がその責任を負う」といったものだ。
社用携帯に届いた案内メール
これまでにも個人契約の携帯電話宛には、早急に実名登録を完了させるよう求める SMS が届いていた。しかし会社名義で契約した携帯電話宛に案内が届くのは今回が初めてとみられる。なお中国電信や中国移動の会社名義の携帯電話宛にはまだ案内は届いていない模様だ。
2. 所持者の実名登録は工信部の通知に明記
社用携帯の所持者に対する実名登録の要求は、2014 年 12 月 18 日に工業情報化部および公安部、国家工商総局が共同で発表した「关于印发电话“黑卡”治理专项行动工作方案的通知」に基づく措置とみられる。
同通知の三の(一)の 5 には「企業ユーザーの実名登録強化」が明記されており、通信キャリアに対して法人契約の契約書に利用者の実名登録の義務を明記するとともに、実際に使用する者の身分証を用いた実名登録を 1 契約ごとに行う旨が記されている。
3. 早急に実名登録の手続きを
これまで会社名義の契約はイコール実名登録という認識が浸透していたが、当局の通知に明記されている以上、中国聯通に続いて中国電信や中国移動でも所持者の実名登録を行うよう間もなく案内が行われるだろう。
各通信キャリアは個人契約について、9 月中に実名登録を完了しない場合、登録を催促する最後の通知を行った 1 週間後に強制的に利用を停止するとしている。法人契約についても登録を先延ばしにしていれば突然携帯電話が利用できなくなる可能性がある。特に駐在員等はビジネスに支障が出ないよう早急に登録を済ませると共に、近年は個人への監視が強まっていることにも留意したい。