京東と微信の最強タッグ ~WeChat ショッピング~

目次

1. 微信(WeChat)とは

微信は中国の大手 IT サービス企業、騰訊(Tencent)が提供する無料のインスタントメッセンジャーアプリで、アクティブユーザーは 4 億 6800 万人(2014 年 9 月末時点、同社発表)に上る。基本となるチャット機能に加えて、LINE のように写真やスタンプを送信したり、Skype のようなビデオ通話も可能だ。さらに Facebook のようなソーシャルネットワークの機能も備えており、他のユーザーに対して「いいね!」もできる。

LINE に似た画面デザイン

リリースは LINE よりも早い 2011 年 1 月で、今ではモバイルゲーム、EC、決済、O2O、ネットバンキング、広告といった様々なサービスに対応することで高い収益性を確保している。

頻繁に行うキャンペーンはいずれも提携するサービスをうまくミックスしたもので、特にグループの決済サービス「財付通(TenPay)」と組み合わせた手法はマネタイズの面でも大きな効果を上げている。

2. あらゆる商品を手軽に、WeChat ショッピング

微信の公式 EC チャンネル「京東微信購物(WeChat ショッピング)を担うのは、中国のEC 市場で第 2 の規模を持つ京東(JD.com)だ。微信のトップページに「ショッピング」のボタンが用意されており、直接ショッピングページにアクセスすることができる。取り扱う商品は基本的に京東と同じだが、微信を通じて友人に商品を勧めたり、微信限定のキャンペーンが行われることもある。

ここでは中国の IT 調査会社、易観国際が 2014 年 10 月に WeChat ショッピングの利用者 2276 人を対象に行った調査結果をみてみよう。

モバイルショッピングは一般的に女性の利用が多いものだが、微信は男性の利用者が全体の 67%を占めている。年齢は 1985 年以降に生まれた 25-30 歳の層と 1990 年以降に生まれた 18-24 歳の層が主力で、それぞれ 37%と 25%を占めている。

学歴をみると 70%以上が大学卒業程度以上の教育を受けている。職業も会社員や企業幹部といったホワイトカラーがおよそ半分を占めており、モバイルショッピング利用者の平均値(15.2%)を大きく上回っていることがわかった。

また直近 3 カ月間について、毎月少なくとも 1 回以上購入している人が全体の 60%以上を占めており、1 カ月に 10 回以上購入しているという人も 3%いた。

WeChat ショッピングのページを「たまに見る」と答えた人は全体の 47%だったが、「毎週複数回見る」あるいは「毎日複数回見る」と答えた人はそれぞれ 36%と 17%でサービスへの“粘着度”は高い。なおページ閲覧の目的として「お勧め商品を見るため」と答えた人が約半数の 46%に上り、「目当ての商品を探すため」(23%)、「微信を使う時ついでに」(19%)を上回っている。

WeChat ショッピングでの 1 回の買い物の平均金額は約半数が 200 元以下と答えている。商品別にみると男性・女性ともにファッションアイテムを購入することが最も多く(男性 63.9%、女性 83.4%)、続いて男性では 3C 製品(PC、携帯電話、デジタルカメラ、MP3 など)が 60.6%、女性ではメイク・スキンケア用品が 56.6%だった。

他の EC サイトにもモバイル向けのアプリがあるが、それでも WeChat ショッピングを利用する理由として最も多く挙げられたのは「支払いが便利だから」(44%)だった。2位以下は「京東を信頼しているから」(35%)、「微信を信頼しているから」(30%)、「値段が安いから」(28%)、「ニーズを満たしているから」(25%)と続いており、京東や微信のブランド力が判断基準になっていることがわかる。

3. 買い物してみよう

WeChat ショッピングで実際に買い物をして、購入ステップを確認してみよう。まずはスマートフォンから微信のアプリを開き、「購物(ショッピング)」をタッチする。

上部にある検索欄に、購入したい商品名などのキーワードを入力して検索する。

-表示された一覧から商品を選んでタッチすると、詳細画面が表示される。この商品のみを購入する場合は「すぐに購入」、他にも購入する場合は「ショッピングカートに入れる」ボタンをタッチする。

「すぐに購入」ボタンをタッチすると、ショッピングカート内の商品一覧が表示される。今回購入するのは米国産アーモンドと新疆産ナツメの 2 つで、合計 81.8 元だ。

続いて一番下にある「結算(支払い)」ボタンをタッチすると、送付先を入力する画面が表示される。荷物を受け取る人の名前、携帯電話番号、住所、郵便番号をそれぞれ入力する。

右下の「完成(入力完了)」のボタンをタッチすると、注文内容の確認ページが表示される。商品と配送先を確認し、必要に応じて配送方法と送料、領収書などを指定した後、支払い手続きに移る。対応する支払い方法は、微信が提供するモバイル決済サービス「微信支付」、ネットバンキング、着払いの 3 種類で、今回は微信支付を選んだ。

支払いは簡単だ。「微信支付」をタッチした後、支払う金額 81.8 元を入力するだけでよい。支払いが完了すると「支付成功(支払いに成功)」という画面が表示される。

これで買い物と支払いは完了となる。あとは注文した商品が届くのを待つだけだ。なお注文履歴はメニューページから確認することができる。

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この記事を書いた人

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